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眠り姫の俺様騎士

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「跡部は好きな子とかできてもなにかしてあげたりとかしなさそうやんなぁ。」
ある日そんなことを忍足が言った。
俺はうつらうつらしながらその言葉を聞いていたのだけど、それは違うと思った。
跡部は俺と2人でいる時はすっごく優しい。
いつも頭を優しく撫でてくれるし、眠るときは1人でも起きた時には大体跡部が側にいてくれて、俺が起きたのに気付くと微笑んでくれる。
それにジローって名前も跡部が呼ぶと特別になったような気がする。
跡部は俺にとって絵本に出てくるどんな王子様よりも格好良くて、優しい王子様だ。
それを忍足に教えようと思ったけどやっぱりやめた。
もう眠くて仕方なかったし、忍足の知らない跡部を知っていると思ったらなんだか嬉しくて、俺だけの秘密にしておきたいと思ったから・・・
「お、ジロー今日はいつもより幸せそうな顔して寝とんなぁ。」



部活中、コートの近くに置いてあるベンチでジローに膝枕している跡部を見かけた。
「跡部、お前そうやっとると王様っちゅーより、召使って感じやな。」
怒るかと思ったが、俺の予想とは逆に跡部は満足そうに笑った。
「バーカ、分かってねぇな忍足。俺様は召使じゃなくてこいつを守る王子様なんだよ。」
そう言って跡部は寝ているジローの頭を撫でる。
「へぇ、以外やな。跡部は好きな子できても放置で何も今と変わらんのやと思っとった。」
跡部は俺の言葉をフン、と鼻で笑った。
「まぁ、そういう時もあったがな。でもそれは俺が本気で好きになってなかっただけなんだろうな。」
それに、と跡部はジローの寝顔を見て微笑む。
「自分だけのお姫様のためになら、何でもしてやりたいと思うのが俺様なんだよ。」
結局は惚気たかったんやなぁ、と俺は苦笑する。
「ほな、ここにいても邪魔やろうし、俺は練習でもしてくるわ。」
俺は跡部にそう言ってからその場を離れる。
もう一度見ると、相変わらずジローは寝ていたが、それを見ている跡部はとても楽しそうだった。
跡部は自分を王子様だと言っていたが、あの様子を見ていると王子というより騎士のようだ。
といってもあれだけ俺様の騎士もいないだろうが。
そう思った自分がおかしかったがあながち間違いではないだろうと納得した。
「何や俺もお姫さん作りたなったわ。」
俺の場合は眠り姫ではなくいじっぱりなお姫さんになると思うが。
「忍足、ヒマなら俺と打ちあわねぇ?長太郎のやつまだ来てねーんだ。」
タイミング良く声を掛けてくるお姫さんに俺はクス、と笑うとお姫さんのもとへと歩いて行った。

作品名:眠り姫の俺様騎士 作家名:にょにょ