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【sw】文章修行家さんに40の短文描写題

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01. 告白 小指と小指を繋いだことによって僕の想いが伝わってしまったのは事実だろう。とりあえず今は、強く握り返してくれたことを返答としておく。
02. 嘘  僕が冗談で漏らした言葉に彼は怒り、そうして傷ついているようだった。先程から向けられた背は固く僕を拒絶していて、まだ許してくれない。
03. 卒業 クローゼットの奥にしまわれた僕らの制服には、上から二番目のボタンがない。一生付けられることはないが、それが埋まった時僕らは終わる。
04. 旅  ペダルを踏んだ。ぐん、と力をこめて前へ飛び出す。肩に触れる熱い手のひらが、がんばれと叫んでいるようだった。何処へ行く? 何処かへ。
05. 学ぶ どうすればいい?簡単だ。抱きしめて、キスをして、愛していると囁く。それこそが、長く投げかけられていた問題への、僕なりの答えである。
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06. 電車 向かい合う座席。くっつく膝小僧。揺れる身体。時々僕は素知らぬふりをして膝小僧をぐいぐいと押し付けるが、君は気が付かない振りをする。
07. ペット朝、ご飯を与えて出ていく。昼、何をしているかメールをする。夜、ご飯を食べてから一緒にお風呂に入り眠る。だから、首輪はまだいらない。
08. 癖  真剣な顔つきで、自前のレポート用紙にかぶりつく姿。ペンは止まらず、また彼の情熱も止まらない。そして、それは僕の視線も同じ事である。
09. おとなずるいのが仕事。そううそぶく彼を否定したいと思うのに、耳にかかる温かい息を、背中に回る腕を全部受け入れてしまうのは、僕が子供の証。
10. 食事 箸からすべり落ちてしまった里芋が食卓の上を転がっていく。終着点は彼で、器用に転がるそれを箸で掴んで、ぱくり。とても、美味しそうに。
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11. 本  健二さんは時々目の前にいる僕を置いてどこかへ行ってしまう。薄っぺらいたくさんの紙で綴られた虚構の中に。僕は待つ。ただ、待ち続ける。
12. 夢  よかった、そう泣きながら抱きしめてくる身体を訳も分からず抱き返す。本当によかった、君が居て。当たり前の言葉への返事はたった、一つ。
13. 女と女いつだって強いのは彼女たちだ。狭いキッチンの中できゃっきゃと話しあう母親と彼女を見てそう思う。まあ、仲良きことはうつくしき事かな。
14. 手紙 電話よりもメールよりも緊張するのは何故だろう。封を破って、薄っぺらい紙を取り出す。あまり上手でない文字に胸が高鳴るのもまた、事実。
15. 信仰 見ていて、思った。あいつのあの人に向ける感情は信用でも信頼でもないよ。そんなものが薄っぺらに見えちまうくらいもっと大きな物なんだ。
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16. 遊び 小指と小指を繋いで約束。他愛ない戯れ事。彼はただの冗談としか思っていないかもしれないが僕は本気だ。だってそうじゃなきゃあまりにも。
17. 初体験こんなの、知らない。彼の顔を見てほっぺたが熱くなって、頭がじいんと痺れきて、馬鹿みたいに鼓動が速くなるなんて。こんなの、知らない。
18. 仕事 この恰好でキスすると、なんか終わってない気がする。よれたスーツのまま居酒屋を出た後の僕らのキスは、いつだってモツ煮込みの味がする。
19. 化粧 何の戯れか買ってきた真っ赤な色は彼にも、もちろん僕にも似合わなかった。お化けみたいに赤い唇で互いに笑いキスをする。少し、変な味だ。
20. 怒り 弱弱しいびんたが飛んできた。泣きそう。いや泣いている。いたいよ。ごめん。労わるように裸の身体を抱きしめれば、ばかとだけ返ってくる。
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21. 神秘 茶をすすりつつ、NHKの情操教育を見てすごいねなんて言う彼。が、僕に言わせれば、当たり前のように僕を愛してくれる貴方の存在こそが。
22. 噂  夕方、待ち合わせをしてスーパーにて買い物にいそしむ僕らを、近所の人がどう見ているかなんて知っている。だが、事実なので訂正はしない。
23.彼と彼女ほころぶ唇にこの唇を近付ければ、どんな顔をするだろうか。怒り?それとも哀しみ?どちらだっておかしくない――だって彼には彼女がいる。
24. 悲しみ机の下で触れあう中指と中指。これ以上はどうあったっていけない。だって僕たちはそういう関係じゃないし、そうなることも許されないんだ。
25. 生  眠りによく似て異なるそれは、忍び寄るように私の元にやって来て言う。おつかれさま。その一言で私はようやく彼の所に帰れることを悟った。
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26. 死  古く黒光りする墓石が濡れている。地面に投げ出された花が風をその身に浴びて揺れている。全てがここにあるのに、ばあちゃんだけがいない。
27. 芝居 嫌い――目をそらして、声に一切の抑揚を加えず、拳をぎゅっと固めながら、彼はそう言った。あまりにも大根だけれども、それがまた可愛い。
28. 体  細身ではあるが、しっかりと肉が付き流れるような美しく逞しい背中。ほの白いそれは、触れても当たり前にそこにいて、だから泣きたくなる。
29. 感謝 夕飯後ソファでくつろいでいると、黙ったまま彼が背に回って肩をもんでくれる。どうしたの?と聞けば、お疲れ様、そんな小さな囁きが一つ。
30.イベント二月十四日。彼はお菓子会社の戦略にのるもんかと言ってこの日を嫌っていた。けれど今、僕の手に可愛らしい包みが乗っているのはどうして?