【Livly】誰も知らない物語
眠れない夜に
何もない、小さな島です。黄色いプリミティブトビネが住んでいるだけ。
しかし、こんな殺風景な島にただ一人、いつも来客が来ていました。
「ねむれないんだ」
と、緑色の小さなピグミーが恥ずかしそうに島にやってきました。
その目は赤く充血し、まぶたは泣き腫れています。
それを見たプリミティブトビネは、ため息をつきました。
「なんで眠れないんだ?」
ピグミーはもじもじと下をうつむいて言います。
「わかんないけど、寂しいんだ。
このままずっと僕が一人ぼっちな気がして寂しいんだ。」
プリミティブトビネは再びため息をつきます。
「そんなわけないだろ。どうでもいいことで悩むな。」
ピグミーは少し怒ったようで、睨みつけるような目を向けました。
この不器用なプリミティブトビネは、考えた後、ぶっきらぼうにこう返します。
「お前にどうでもいい話をしてやる。つまらなすぎて眠たくなる話だ。」
「そんなの聞きたくない」とピグミーは駄々をこねました。
「じゃあ一生不眠で悩むこった。」
そして意地悪な彼は寝返りを打ちました。ピグミーは瞳をますます潤まして言いました。
「ごめん、聞くよ」
生意気だけど寂しがりな、ちっちゃなピグミーです。
「どうでもいい話だ。綺麗事しか並べてない、聞く価値もない話だ。」
「いいから、教えて。」
プリミティブトビネは目を閉じました。眉間にしわを寄せて、昔のことを懸命に思い出そうとするように。
―――今はもう誰も知らない、童話のような物語。
作品名:【Livly】誰も知らない物語 作家名:夕暮本舗