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灯千鶴/加築せらの
灯千鶴/加築せらの
novelistID. 2063
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ルームメイト3

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ルームメイト3

※「ルームメイト」と同じ設定です。

「あのっ織田くん、これ、良かったら食べて!」
「え? あぁ、ありがとうございます」

差し出されたのは、袋から透けている中身を見た感じおそらく焼き菓子の類。

ところでこの人は誰だっただろうか。
俺のことをくん付けで呼んでいるからには先輩か、最低でも同級生か。もっとも大学では、年上の同級生や後輩もたまに居るわけだが。
マネージャー全員を把握しているわけではないが、こういう形で差し入れしてくるからにはウチのマネージャーではあるまい。
とりあえず年上の可能性があるからには丁寧に礼を言って、可愛らしいラッピングのそれを受け取る。

「明日のリーグ戦、頑張ってね」
「はい、あと一戦、気合いを入れて行きます」

どうにか神奈川大学リーグで一部上位を維持している現チームだが、出来れば優勝で秋季を終えたい。
そのためにはあと一節、最終戦を勝つ必要がある――というところまで彼女が理解しているかどうかは謎だが、気合いを入れる時期には違いない。

この差し居れは荒木に見つからないよう兵藤と帰りに食べてしまおう、と考えながらフェンスの向こうに去る小さな背を見送った。

二年で背番号を勝ち取った今年は、俺も兵藤もレギュラーに定着するので必死だった。
だが春季を終え、秋季をほぼ終えて振り返ればリーグ戦以外でもスタメン起用が多かった。確かな手応え。

(…これも、荒木のおかげは確かにある)

高校の頃にはどこから降ってきているのが理解できなかった荒木の「閃き」が、確かに理解できるレベルになったからこそ荒木直々のコーチングをモノに出来ている。
それは確かに俺が荒木のプレーを理解できるまで成長しているからだが、それだけでは足りない。
チームでの練習に遠征に代表合宿にと忙しい荒木が時間を割いてくれるからこそ、俺も兵藤もこの場所でプレーできる。

「あれっ織田、いいもん貰ってんじゃん? 織田ちゃんモテモテー」
「からかうな。それより、これが荒木に見つかると困る。練習の後で食べて帰るぞ、お前も手伝え」
「ははっ、そっかー今日遠征から帰ってくるもんな。相変わらず厳しーねぇ管理栄養士さん?」

うりうり、と肘を入れてくる兵藤の頭を軽く抑え込んで、少し考える。

「そうだな……こんなにカロリーの高いものは食わせてやれんが、少し甘いものでも振る舞ってやるか。
 買い足さないといけない材料もあるし、練習が終わったら買い物に付き合ってくれ」
「あいよ。……何だかんだ言って最後のとこで優しいよな、織田」
「甘やかす気はないが、感謝はしてるからな」
「同じく。ま、礼は明日の最終節で優勝決めたら言うことにしようかねー」

出来れば決勝点キメたいよなーここんとこアシストばっかだし、と笑う兵藤。
期待している、と背中を叩いてひとまず貰った包みを鞄に仕舞う。

さて荒木に作ってやる甘味は何が良いだろう。洋の東西は問わないようだし、ヘルシーな和菓子でも良いかもしれない。

「今日は甘味で、明日はお前の決勝弾の報告であいつを笑顔に出来れば良いな」
「任せろよっ! んで、出来ればお前からのアシストが良いなー」
「贅沢言うな、真屋先輩も良いパスくれるだろ。第一、後ろを国松に預けきって前に出たら後で睨まれる」





Fin.


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有り難いことに意外とご好評のようなのでルームメイト3つ目。
同じ設定で、ぐだぐだ日常・大学リーグ編。
執筆時間は30分なのに、神奈川県大学リーグの構造が分からなくて調べるのに2時間掛かったw
その節はありがとうございます春華さん(*´ω`)
秋季上位リーグの最終節、今年は10/16だったようなので、その辺のイメージ。
メンバーは私の個人的な進学組理想wwww
偶然同じとこ居たら良いじゃない\(^o^)/


11.11.21 加築せらの 拝