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灯千鶴/加築せらの
灯千鶴/加築せらの
novelistID. 2063
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幸せなメビウス(裏)

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幸せなメビウス(裏)

『鬼丸、』

一つ上のカッコいい先輩は、僅かに口角を上げて振り返る。
芯のある穏やかさとでも云うのか、その微笑にいつも息が止まりそうだなんて、貴方は知らないでしょうけど。

『大丈夫だ、お前は強い。
 ここに来てからお前がどれだけ頑張ってるか、見てきたから、保証できる』

相手の強さに怖じけたことも、最後のホイッスルが鳴る前に足を止めたことも、世界の遠さを天に歎き仰いだこともないけど、それでもわけもなく不安に食いつかれた時。
俺の積み上げたものを衒いなく肯定してくれる貴方に、どんなにか励まされただろう。

『相手からボールを奪って、さぁここからどう持っていこう、って周りを見るだろ?
 その時お前と目が合って……俺の考えてる事がお前に伝わってるのか、お前の考えてる事が俺に流れ込んでくるのか判らないが。
 とにかくお前と考えてる事が繋がって、頭の中で描いたようにボールが通る。
 あの瞬間が堪らなく好きで――これからも、ずっと。お前と同じピッチで戦っていたいと、そう思うよ』

嬉しそうに語る貴方に、心が弾む。
……たとえプレーヤーとしての俺しか貴方の視界に入ってなくても。
飛鳥さんの意識に俺が根付いてる、今はその事実だけで充分だ。
ピッチの上では貴方に背中を預け、プライベートでは貴方に背中を預けてもらえる、希って止まない理想だけど。

「――もちろんですよ、飛鳥さん――」

そんな関係になるのは、俺が飛鳥さんと同じピッチで同じ青を着てからでいい。
その意思に、嘘なんて一つもないのに。
ともすれば今すぐにでも口を突いて出そうになる貴方への思慕は、いつか暴走してしまうかもしれない。

「俺、どこまでも飛鳥さんに付いていきますから!」




Fin.




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同じ話の表裏なのにカプ表記が違うのはご愛嬌ってことで…^ρ^
『自分が相手を支えられるくらい立派になってからプロポーズしたい』ってのは
男の子の永遠のロマンだと伺ったので、鬼丸くんには平均的な男の子になってもらいましたw

11.03.26 加築せらの 拝