二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
灯千鶴/加築せらの
灯千鶴/加築せらの
novelistID. 2063
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

騎士未満

INDEX|1ページ/1ページ|

 
under the Knight.

「だーかーらっ! 飛鳥さんは俺がエスコートするんです!」
「ざけんな、飛鳥は俺の恋人だ。俺がエスコートするのが普通だろーが」
「俺と飛鳥さんのデートに割り込んできておいてその言い草は何っスか!」
「そもそもデート申し込めるような立場じゃねぇだろうがよテメェ」

いい加減黙らないだろうか二人とも。
寮の玄関でしょうもない言い争いをする親友以上恋人未満と後輩にため息をつく。

ついでに、生まれて初めて自分の名字に感謝した。
「あすか」なんて女の子の名前と間違われる紛らわしい名字だが、お陰で今二人が争っている対象は女の子にしか聞こえない。
見た目の悪くない男が二人、エスコートする権利を争っているのが男だと知れたら居た堪れない。
特にそれが自分だと知れたら。穴掘って埋まりたいぞ俺は。

但し、さすがにそろそろ止めないと近所迷惑になる。
タカはまだ意識して声を抑えているようだが、鬼丸は毛を逆立てた猫のようにヒートアップしているし。
一瞬迷って、鬼丸の腕を引いて傍へ寄せた。
背中をぽふぽふと撫でて宥めつつ口を開く。

「二人ともその辺にしろ。
 鬼丸、少し声が高い。お前と出かける約束してたんだから、今更破りはしないさ」
「っすみま、せん」
「タカも。勝手なこと言って牽制するな、誰が『恋人』だ、誰が」
「そこは悪かった。でも、俺が告って、お前が拒否してないのは事実だろ」
「そうだ。だからまだ保留、だろ。お前が大事だから、簡単には決められない」
「……わかったよ」

鬼丸との約束を取ると宣言したことで拗ねたらしいタカには「次のオフはお前にやるよ」と告げる。
そう言えば、今日はタカが告白してきてから初めて俺とタカのオフが揃う日だったっけな。
気が逸って俺の予定を確認せず会いに来るのも、期待が外れて拗ねるのも、分からないではない。
『デート申し込める立場じゃない』と言ってたんだから、まだ鬼丸が俺に告白してないことも知っているんだろう。
その上で大人げない牽制を掛ける傍若無人さも、可愛い奴だと思う。
とんでもなく俺様なくせに可愛いこの男が恋人なら悪くない、とも。

だけど、まぁ。

「それじゃあ鬼丸、行こうか」
「はいっ! ――鷹匠さん、付いてこないでくださいよ?」
「ハ、分かってらぁ。飛鳥に嫌われたくないからな」
「こら、鬼丸。お前もちょっと大人げないぞ?」
「う。ごめんなさい飛鳥さん……と、鷹匠さんも」
「おう」

そこでちゃんとタカにも謝れる鬼丸は凄く良い子だし。
恋愛対象外ではあるけど、この可愛い後輩をタカが傷つけるのも嫌だから。
当分は、二人が決定的なケンカをしないように様子を見る必要がありそう……かな。

きっと今日みたいに呆れることも、頭を抱えることもあるんだろうけど。
それはそれできっと、楽しい日々になる。




Fin.


---

1000打感謝第3弾、ツイッタで恋さんからリクエストいただきました
『鷹匠さんに逆毛立てまくりな鬼丸と年下相手に大人気なく本気で喧嘩しだす鷹匠さんと完全に呆れてる飛鳥さん、な鷹飛←鬼』でした!

……ちゃんと鷹飛になってる……?(一番大事なとこ疑問系)(だめじゃん)

リク見た瞬間黒わんこ(鷹匠)と灰色にゃんこ(鬼丸)がご主人様の寵を争って
ばうあうみ゛ゃーみ゛ゃーしてる図に摩り替ったのでこんな展開にw
恋さんのみお持ち帰り自由ということで。

可愛いリクエストありがとうございましたー!(´∀`*)


11.04.30(19:44) 加築せらの 拝

作品名:騎士未満 作家名:灯千鶴/加築せらの