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はろ☆どき
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novelistID. 27279
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恋人は赤いコートのサンタクロース?!

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日の暮れた年末の慌ただしい街中を、ロイ・マスタングは人とぶつかるのも厭わずひたすら急いでいた。
目指すは恋人の待つ我が家。自宅に帰るのは1週間ぶりだったが恋人に会うのは実に数ヶ月ぶりだった。

日頃事前に連絡など寄越さない年下の恋人―エドワード・エルリックが珍しく数日前に今日戻る旨の連絡をしてきた上に、いつもならまず弟を連れて司令部を訪れるというのに今回はロイの家で一人帰宅を待っていると言うのだ。
電話で来訪を告げる際、彼らしくなく妙に口ごもっていたのは気になるが、いずれにせよ二人きりで会おうとしてくれていることは間違いない。
会いたいなどと滅多に口にしない彼のことだからきっと照れているんだろう。
そう思うと自然に口許が緩み、足は一層早まるのだった。

そうしてようやく自宅の前までたどり着いたが窓の明かりが見えず人のいる気配がない。まだ訪れていないのだろうかと思いながら鍵を開けると、玄関には見覚えのある黒いブーツが転がっていた。来てはいるようだが待ちくたびれて寝てしまったのだろうか?
「鋼の?来ているのか?」
そう声をかけながら、誰もいない居間のソファーに着ていたコートを脱ぎ捨てると寝室に向かった。

こちらも明かりが着いている様子はなかったが扉を開けると・・・暗がりのベッドの上に赤いコートと金髪が見え、ロイはほっと息をついた。寝ていたのかと思ったが体は起こしている。
しかし部屋の中なのにコートを着たままだ。ロイは近づきながら声をかけた。
「コートも脱がずにどうしたんだ。具合が悪いのか?」
「いや悪くないよ。お帰り」
そう返してくるが口調が少し固く違和感を感じる。
「鋼の・・・エドワード。何かあったのかい?」
なるべく優しく聞こえるよう穏やかに声音を出すが、エドワードの表情は固い・・・というか緊張した様子だった。
よく見ると不自然にコートの前を手で押さえて閉じている。
よもや怪我でもしたのかとロイの表情が険しくなるのを察知したのか、エドワードはふっと緊張を解いて口を開いた。
「あー、やっぱ慣れないことなんかするもんじゃないな。や、実はさぁ、ほら」
少年は赤いコートの前をはだけた。

「――!!!」
その瞬間ロイは思わず息を飲んだ。いや息を止めた。
ベッドに膝立ちした恋人のはだけたコートの下はほとんど素肌で・・・他には大事な部分が申し訳程度に隠されサイドは紐にしか見えない―おそらく下着と思われる布しか身に付けていなかった。
「・・・君・・・いったいその格好は・・・」
ロイは呆然としながらやっとのことで声を絞り出した。

「やっぱ笑っちゃうよな?いやアルがさー、会うのものすごく久々だしクリスマスも近いんだから勝負下着で挑めとかワケわかんないこと言ってどっからか持ってきてさ」
エドワードは照れて頬を赤らめるでもなく、いたずらが失敗したようなばつの悪そうな顔をしながら説明を始めた。
「キレイなおねーさんじゃあるまいしオレがそんなかっこしたって大佐は喜ばねぇって言ったんだけど・・・。あと決め台詞ってのもあるんだ。クリスマスのプレゼントはオ・・・」
レ、まで言うことは叶わなかった。エドワードの体はそのままベッドに激しく押し倒された。
「わっ、ちょ・・まっ・・・んん・・・・・」

―――暗転―――

かくして夜が明けようやく落ち着いた頃には当然ロイは真っ裸だったが、よく見ると靴下だけ履いているという滑稽な姿となっていた。
当然笑い飛ばされるものと思っていたら。
「あんたどんだけがっついてんだ!!」
エドワードは顔を真っ赤にして怒鳴り散らしその目には興奮して涙が浮かぶほどだった。
「自分は裸コートに紐パンまでして照れもしないくせに、なんで真っ裸に靴下はそんなに照れるんだ?」
年下の恋人は難しいお年頃だったとかなかったとか。

・・・お粗末様でしたm(__)m平謝りm(__)m