二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【イナズマ】ドヤ丸さんと卵焼き

INDEX|1ページ/1ページ|

 

「なんだその貧相な食べ物は」

月に一度のお弁当の日、屋上に集まって皆で昼食を食べていた時のこと。
横、というか至近距離から聞こえてきた横柄な声に
俺は自動的に眉が寄るのがわかった。
視線だけ横向けると、自分とうり二つの顔がそこにある。
いや、似てるだとか思いたくないわけだが。こんなやつと。

「……何って卵焼きだよ」
「たまごやき?」
「知らないのかよ。まんまだよ。味付けした卵焼いて丸めたおかず」

俺の言葉にそいつはにやりと唇を歪めると、
『俺たちに食事は必要ないからな』なんて嘯いた。
別に食べても食べなくても良くて、知識として必要ないから知らない、らしい。
一般常識くらいは入れとけよ、と思う。
宇宙人騒動のときもそうだったけど、
基本的に吉良グループは科学力の無駄遣いだ。

「えらく原始的な食べ物だな。お前にはお似合いだ」
「……それはどうも」

まともに相手をするもんじゃない、というのはこの一週間の間に学んだ。
デフォルトで口が悪くて横柄なのだこいつは。
いちいち突っかかるのも馬鹿らしい。
放置して黙々と箸を進めていたが、
どうも『原始的な食べ物』に興味をしめしたらしいそいつが
体を乗り出して覗き込んでくるものだから食べづらくて仕方ない。
押し返す、覗き込む、を三回繰り返して俺の忍耐力が切れた。
もともと短気なのだ俺は。

「あああ鬱陶しい!」

箸で卵焼きをつまみ上げて、そいつの口に押し込む。
流石にそんな行動に出るとは思わなかったらしく、
そいつは反論も反撃せず、つり上がった目を丸く開いて
まくまくと卵焼きを咀嚼する。
と、ぱあっとその顔が明るくなるのがわかった。
思わずびくりと身を引く。
そいつはしっかりと卵焼きを咀嚼した後ごくりと飲み込んだ。
背中に花を背負ったまま、こちらを見るといつものようにふんと鼻で笑い、

「……まあ、食えなくはないな」
「……あ、そう」

旨かったくせに、と思ったけれど言わない。
素直に認めるはずもないし、下手につついて他のおかずを取られても癪だ。
ほんとに、こいつは無駄なことしか知らないのだ。
卵焼きが旨いなんて、太陽が昇るみたいに当たり前のことなのに。
再び弁当箱を覗き込もうとする頭をぐいぐいと押し返しながら
ウインナーを口に運んでいると、向かい側に座っていた鬼道と目があった。
無表情を装っているが、明らかにゴーグルの下の目は笑っている。
見えなくてもわかる程度には深い付き合いだ。

「仲がいいな」
「どこが。笑うなよ。目が笑ってるのわかるんだからな」
「ふん、お前の弁当はこいつよりはましなものが入ってそうだな」
「それはどうも。カニクリームコロッケやろうか。タラバガニだから旨いぞ」
「そんな高級そうな餌やらないでくれ。舌が肥える」