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distance

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distance- - - ---





『俺もそう思うよ』




『うん、そうだね。』




『分かるよ。』




『新一の好きなところ行くよ。』




『俺も同じ気持ちだよ。』







・・・同じ・・気持ち?






Dis  t an  c    e - - - ---





快斗と付き合い始めて2年が経つ。

快斗は俺の一番の理解者になった。
俺も快斗の一番の理解者になった・・・


気を遣わない唯一の存在。



でも、最近思うんだ。

何か・・・違う―――




「新一おはよ。」

「はよ、」

「眠そうだね。」

「オメーこそ。」

「んー確かに。」

「今日ウチ泊まるか?」

「良いの?」

「あぁ、良いぜ。」

「お世話になります。」

「了解。」



大学へ向かう道のりの途中で快斗とはだいたい一緒になる。
それは俺が時間を合わせているからなのだが、快斗はいつものように言う。

「以心伝心だね。」

「そうかもな。」


快斗はトロそうに見えて、結構マメな奴だ。
時間もいつも守るし。運動神経も抜群で頭も良い。
頭にくるぐらい何でも出来る。
人当たりも良いから快斗が知らないだけで快斗に惚れてる奴は結構居る。
快斗は人によって態度を変えるってことがない。
良いことなんだが、その結果勘違いする奴は多い。



だから俺は必死なんだ。

恋人という立場に居る。
それでも安心という言葉からは程遠い。

・・・むしろ一番遠い。


今、快斗に想われてるのは俺のはず。

はず・・?


はずってなんだよ・・
それじゃ、まるで―――



「あっ、」

「ん?」

「ごめん新一、今日先約ある。」

「何?」

「あーーうん、木下と遊ぶんだ。」

「そうか。」

「ごめんね。」

「楽しんで来いよ。」

「ありがと、また今度は必ず。」

「あぁ、そうだな。」





なぁ快斗、お前の大事なものは何だ?
俺の大事なものはお前だ。

でも、お前は違うんだな・・。



放課後、目の前を歩く木下の隣に居るのは快斗ではなく。
木下の彼女。


なぁお前は今何してる?
俺はあと何度騙されれば良い?



『ありがと、また今度は必ず。』


俺はあと何度、来ることのない今度を期待して
俺はあと何度、我慢し続ければいい?





お前を繋ぎとめておきたいと思えば思うほど、
お前がどんどん遠ざかっていく。

残酷なほどに。




俺とお前の距離はこんなにも遠い。











・ ・ ・ ・ ・ ・ ・












幸せに笑いあう

毎日が嘘と知った

とてもやさしい君

それが誰にでもと知ったとき




君は変わった

私の知らぬ間に

私は気づかない

本当の姿に




いつかまた手を繋げる日を

永久にこない過去の幸せな日々を

いつかまた笑顔で話す日が

くることを願って

目を閉じる




知らないフリ

見ないフリをしてた

私は逃げてた

本当の真実


いつだって支えてくれた

それが嬉しくて涙がでた

いつだって支えたいと願う

たとえ必要と

されなくても



知らないフリ

見ないフリをしてた

私は逃げてる

ずっと傍に居て




いつかまた手を繋げる日を

永久にこない過去の幸せな日々を

いつかまた笑顔で話す日が

くることを願って

目を閉じる






 ・

 ・

 ・

 ・



end
作品名:distance 作家名:おこた