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カップリング色々(スレイヤーズ小話)2話目UP!

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彼は見ると、彼女の足元からは、黄金色の凄まじいオーラが立ち上がり、体がその色に包まれるところだった。
すると、ゼロスはおもむろに人差し指と中指を立て、二本の指ですばやく印を唱えると、
それまで殺気立っていたフィリアの魔力が封印されていった。
その力に驚いて、フィリアはゼロスを見た。
彼の薄っすらと開いた紫色の瞳と目が合った。

え・・・?
ナニ・・・?

ゼロスは彼女との間合いを縮めるように、一歩近寄ってきた。
その姿に、フィリアは何か不安な思いを感じとり、片手を胸に手を当てて、彼女も一歩後ろに下がった。
「し・・・静かに生きているわたくしたちに・・・
 いったい魔族が何の用なんですの!?」
「・・・」
また一歩。
「どうして、私に近寄ってくるの!?」
くす。ゼロスは暗く笑った。
「あなたに興味があるからです。」
「私に!?」
「ええ。」
「あ・・・あなたはリナさんのことのほう方が興味があるんではなくって!?
 あなたのリナさんへのまなざしは覚えているわ!
 あれは・・・
 わ・・・私に興味があるなんてうそ!」
「くすくす・・・
 ああ。フィリアさん。
 僕のリナさんには、保護者気取りのガウリイさんがついていらっしゃるので、心配しなくても大丈夫ですよ。」
そして、もう一歩。
「あなたはリナさんのことを愛しているんでしょう!?
 なぜ、私なんかに興味があるなんて言うの!?」
「ふ・・・。
 僕のリナさんへの思いは、『愛』などという陳腐な言葉では言い表せられないのです。」
フィリアはその背筋が凍るほどの彼の視線を見た。
深く暗い執着が潜伏しているような気がした。
そんなに、あの人間の少女が大切であるならば・・・
その思いを素直に彼女に伝えるべきで・・・フィリアに伝えるべき言葉ではない。
「任務とはいえ、あなたがたの幸せな生活を見ていると・・・
 この僕はどうしようもなくイライラするんです。」
くっくっくと笑い・・・
「あなたみたいな、プライドの高い白い猫の尾っぽを噛み切ってやりたいという衝動に駆られるんです。
 魔族の僕は。」
その張り付いた笑顔を見て、フィリアの中の何かが警鐘を鳴らした。
それはゴールデンドラゴンとしての本能か?
力の使えないフィリアは、とっさに目の前にあった白いシーツを掴み、魔族の青年へと投げつけていた。

青く澄み切った空に、白いシーツが舞った。

フィリアはそのまま後ろを向き、その場所から逃げ出そうとした。
が、右手の手首を掴まれ、捻りあげられた。
彼の視界をシーツで封じて、その隙に逃げるなんて、そんなばかげた行動彼には効くはずもなく。
そして、そのまま彼女の体は家の壁へと押し付けられていた。
「痛い・・・!」
フィリアは悲鳴を上げた。
「何をそんなに怯えるんです?
 久しぶりに僕たち・・・神と魔の再会だというのに・・・。
 逃げ出すなんて、気丈なあなたらしくもない。
 昔の仲間にお茶を出すくらいの余裕が、あなたにはないのですか?フィリアさん。」
痛む右手を感じながら、フィリアは自分の前にいる闇の青年を見上げた。
青年は自分よりも背が高かった。

「フィリアー!」

二人の耳に少年の声が聞こえた。

庭の砂を踏む音が聞こえて、彼女はそちらの方を見た。

「フィリアー。
 今日の夕飯は誰が作るんだ?
 フィリ・・・」

そこには、フィリアとゼロスを凍った表情で見る姿のヴァルガーブの姿があった。

自分たちを見て固まっているヴァルガーブの姿を確認すると、ゼロスはニヤリと口の端を上げ、
フィリアのピンク色の唇に彼の唇を重ね合わせた。
「イヤッ!!」
びっくりして、フィリアの手は開き、反射的に彼の頬を叩こうとしたが、
彼の姿はすぅっと影のように消えて行き、その手は宙を泳いだ。

『また、会いましょう・・・フィリアさん・・・。』

何もないところから、人をあざけるかのような声が聞こえ、そして闇の気配は消えた。
そのままフィリアは力が抜けたように、そのまま地面にへなへなと座り込んだ。

ヴァルガーブはその姿を見ると、
「くそっ・・・!」
と、拳を握り、靴を翻してそのまま向こうへと走り去って行った。

一体何が・・・!?
どうしてこんなことに・・・?

フィリアはその走り去るヴァルガーブの後姿を見送ると、なぜだか急に胸が痛くなった。
まだ自分の唇に残る柔らかい感触を手で拭いとった。


さわやかな日差しの午後のことだった。

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ゼロフィリに愛はないんではないか?という設定で書いてみました。
ゼロスはあの愛のあるフィリアとヴァルガーブの関係を妬んでいるような気がする・・・みたいな感じを想像しました。
何気にゼロリナなんですが。
はっきり、リナに気持ちを伝えられないと彼の闇はどんどん深まっていくばかりのような気がします。(笑
ちなみに、フィリアの自分への呼び方はわたくしではなく私でした(汗
間違ってすみません〜!