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【銀魂】過去作品まとめ【銀妙】

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「俺のいってる意味わかるか?」
「わからない、です」
「何でだよ」
 どこが、ではなくついそんな言葉で詰問してしまう。
「だって。相談…って、そんな大したことじゃないし、一人でも大丈夫ですから」
「だから、相談もしないし、頼りもしないっていうのか」
「ええ。頼る必要がないもの」
 彼女は当然でしょ、といったように平然とした顔をする。
 悲しいとか辛いとか助けてとか、その表情の裏に少しでも隠れた感情を知ることができたら、俺は彼女の殻を破り捨てる努力をしただろう。それこそ何がなんでも。
 だけど彼女は平然としていた。俺の方が情けなく慌てふためいてしまう。そんな顔を彼女に見せたくなくて、俺はテレビ画面を見つめる。
「……誰かに頼った方が楽だろ。時間も短縮できるし」
「一人でも時間をかければできるわ」
「………」
「それに、誰かの時間を奪ってまで頼るなんて嫌よ。頼る時には相互に利益が発生しなくちゃ」
「…………」
 不適切な言葉が出かかった。が、のどもとで止まる。飲み込んだ言葉が気持ち悪くて、のど元をさすった。言葉がのど元を這い出てくるんじゃないかと思ったが、俺にはそんな勇気はなかった。
 俺は押し黙る。彼女にいうべき言葉が見つからない。
「……私、変なこといいました?」
「自覚ないのは厄介だな」
「…………そう」
彼女はそっけなく呟いた。直す気はないようだった。
「思えば高校の辞めた時も、誰にも相談せずにとっとと辞めたよな」
「ちゃんといったじゃない」
「事後報告だったけどな」
 学校辞めたの。今までありがとう。
 それだけいうと、彼女は俺の元から去ってしまった。悲しむ時間も別れを惜しむ時間もくれなかった。残された俺は呆然と立ちすくむことしか出来なかった。
「俺は、ちゃんと辞める前に相談して欲しかった。役には立たなかっただろうけど」
「……ごめんなさい。迷惑かけたくなかったから」
「迷惑じゃねーよ」
「……ごめんなさい」
 過去のことをぐちぐち論う俺に、彼女は素直に謝った。だけど違う。そんな言葉を、俺は欲しかった訳じゃない。
「なぁ、お前には人に、頼るっていう選択肢がないのか?」
「そう思います?」と彼女が訊ねる。
「そうだろ」俺が断言した。
 彼女はコーヒーを啜った。まだ熱いはずなのに、そんな素振りは全く見せない。俺もコーヒーを啜る。熱さで皮がべろんっとなった。
「そうね、多分きっとそう。頼りかたがわからないの」
「普通でいいだろ」
「普通、っていうのがわからないもの」
 彼女はいう。
「ごめんなさい。だから無理よ。頼れないわ」
 あぁ、何かいわなくちゃいけないのに、舌がひりひりして痛い。
 舌ものども。なにもかも。