二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと デート4

INDEX|1ページ/1ページ|

 
翌朝、アラームが鳴る前に起き出したが、台所には人気があって会話も聞こえた。悟空と保護者が、朝の支度をしていた。
「早いな? おはよう、刹那。」
 起きるはずがないと言われていた保護者は、いつものようにエプロン姿で働いている。
「おはよう、刹那。」
 それを手伝っている悟空も似たようなエプロンをしている。すでに、粗方の準備は完了している様子だ。
「あんた、大丈夫なのか? 」
「はあ? あれぐらいでへばらないよ。帰りなんて、ずっと寝てたんだしさ。」
「というかさ、クセになってんだよな、うちのママ。まあ、朝が終わったら、休んでもらうさ。」
 ここ数年、ほとんど一緒に生活していた悟空に言わせると、よほどのことがない限り、朝の支度はしていたそうだ。で、体調が優れない場合は、悟空を送り出してからダウンするというのがパターンなので、そこまでは電池切れしないんだと、教えてくれた。


 一同が勢揃いして、朝の食卓を囲む。いただきます、と、手を合わせて、三蔵さんが味噌汁を啜ると、横手の保護者の顔を睨んだ。
「なんですか? 」
「・・・・今日は寝てろ・・・・」
「ああ、しょっぱかったですか・・・はいはい、すいません。お湯増ししますか? 」
 味噌汁椀を持ち上げて、お湯を注ぎ込んでいる。さらに、悟空のものも同様にしている。
「おまえらも辛かったら、お湯入れるぞ? 」
 そう言われたが、よくわからない。微妙な匙加減程度なら、普段は飲まない俺には問題ではない。他もそうだったらしく、これでいいと返事した。長く一緒に居ると塩加減で、そんなこともわかるらしい。
「ティエリア、卵かけごはんにするか? 」
「しゅりゅっっ。」
 すっかり、保護者に食事させてもらうのが当たり前となっているティエリアは、ご機嫌で叫んでいる。おまえのほうが、保護者に甘えているじゃないか、と、視線で抗議したら、ふふんっと鼻で笑っていた。
「きょうはゆっくりぃするにゃ。」
「はいはい、わかってるよ。ほら、口あけな。」
 てきぱきと食事させて、それから、適当に、自分の口にも放り込んでいる保護者は、手馴れたものだ。
「おい。」
 さらに、旦那の「おい。」「あれ。」「それ。」にも、素早く対応している。夫夫というのが、ああいうものだとすると、うちは、まだまだ未熟だ。となりの嫁は、早々に食べ終わると、少し離れた場所で、タバコを吸っていたりするからだ。俺のメシをよそうという気は皆無だ。
「刹那、お代わりか? 」
 メシ茶碗が空なのに気付いたのは、おかんのほうだ。取り上げて、さくさくとよそって返してくれる。
「悟空、クリーニング屋から連絡なかったか? 」
「なかった。」
「そろそろだと思うんだけどなあ。」
「ねぇ、二ール、あのお土産は開けていいの? 」
「ああ、開けていいよ。それからお菓子もあるから、この後のデザートにしよう。・・・・・ティエリア、好き嫌いはダメだ。これも口にしろ。」
「やにゃっっ。」
「サプリメントで摂取するのと違うんだよ。別にまずくはないだろ? それ、一個でも食わないとデザートなしだぞ。」
「にゃーーーっっ。」
 持ち上げているメザシを、ティエリアに齧らせようとしている。魚の原型が残っているものが苦手なティエリアに、それを克服させようとしているらしい。にゃーにゃーと騒いでいるが、デザートに釣られたのか、いやいやながらも口にしている。
 騒々しい朝食が終わると、やれやれと片づけが始まる。この段階で、ティエリアを、三蔵さんがおかんに放り投げた。
「それと朝寝してこい。」
「いや、まだ片付けが・・・」
「そこの暇にしている義弟とちびがやる。寝込みたくなかったら、自己防衛しろ。」
 まだ、なんかあるか? と、保護者が抗議する前に、旦那のほうは懐に手を入れている。常時、そこにはマグナムがあって、言うことを聴かないと、それで脅すということになる。殴る蹴るタイプの暴行ではないが、保護者の旦那は容赦がない。
「わかりましたよ。・・・・・ティエリア、フェルトと、あの風船を膨らませてみないか? 家の中で水族館気分が味わえるぞ。」
 ごそごそと土産の紙袋を広げているフェルトの横に、ティエリアを降ろした。確か、ペンギンやマンボウ、イルカなんていう海洋生物の風船が、十種類くらいあったはずだ。おおっと、悟空も中身を取り出している。
「こりぃは、にゃんだ? 」
「おみやげ。一週間くらいは膨らんだままらしいから、アレルヤにも見せてやれるぜ。」
「ただにょ、ふうしぇんにゃ? 」
「でも、高さや配置を考えたら、結構楽しいインテリアだと思う。」
「これ、こんなにあるんだったら本堂でやったほうがよくないか? 居間だと、うちの親父が蹴って割っちまうよ、ママ。」
 十個もの風船を居間に飛ばしたら、通行の邪魔にもなる。そういうことなら、それでもいいよ、と、保護者が荷物を運ぼうとする。
「おい、亭主の命令がきけないのか? 」
「運んだら、休みます。ライル、刹那、片付け頼むな? 」
 ティエリアを、片手でだっこして荷物を片手にして、廊下へと出て行く。その背後から悟空とフェルトもついていった。
 


 とても単純なことだが、単純に楽しいと思えることがある。それは、これといって難しいことでもないし、技術が必要なことでもない。
 
 ただ、笑っていられる時間であればいいのだ。

「片付けて、俺たちも行くぞ? 」
「はいよ。」

 嫁に声をかけて台所へ片付けに行った。
作品名:こらぼでほすと デート4 作家名:篠義