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007話 蒼狼とおでんと犬の怪物

-ミッドチルダ某所-

そこには周りとの実力の壁に当たっていた、一人のマラソン選手がいた。

選手「くそッ、もうすぐ大会だっていうのに…、俺はノロマだ…せめて、もっと速くはしれる足だったら！」

???「その欲望…俺が叶えてやる…」

選手「な、なんだ!？」

次の瞬間、マラソン選手の目の前にあの『謎のグリード』が現れた。

選手「あ、あ…」

???「ふん、面白い欲望だ、楽しみだな」

謎のグリードはマラソン選手にセルメダルを投入する、すると、マラソン選手から一体の犬の形をしたヤミーが現れた。

選手「な、なんなんだ、こいつ!？」

???「そいつは、お前の欲望を叶えてくれる、さぁ、解放してみろ！お前の、欲望を!!!!」

選手「ッ!……お、俺は…ッ!」










-機動6課-

映司「フェ、フェイトさんッ!」

フェイト「なに?映司？」

映司「き、今日は、良い天気ですねぇ!」

フェイト「うん、そうだね♪」

仮面ライダーオーズこと、火野 映司は、フェイトと仲良くなりたいがため、色々と格闘していた。

映司「フェイトさん!もし良かったら午後からお、お茶でも 『あ、いたいた～』ッ!？」

突然はやてが横からわりこんできた。

はやて「映司くん、悪いけどヤミーについてちょっと聞きたいことあるからちょっとついて来てほしぃんよ、あ、フェイトちゃん!ちょっと映司くん借りていくなぁ！」

フェイト「うん、いいよ！」

はやて「ほな、いくで！映司くん!」

映司「え!？ちょっと!わぁ、あああぁッ!!」


数十分後…


映司「うぅ…ひどいよ、はやてちゃん」

はやて「あははッ!!悪かったなぁ映司くん!でも嬉しいゎ、皆と仲良くなってもらって!」

映司はミッドチルダに来て、まだ日は浅いが、そのお人好しな性格のおかげで、機動6課のほとんどの人と仲良くなっていた。ただ、一人を除いて…

映司と はやて が一緒に廊下を歩いていると、前からヴォルケンリッターの１人、『ザフィーラ』が、歩いてきた。

映司「あ、ザフィーラさん、こんにちは！」

ザフィーラ「…あぁ…。」

チラッと見たと思えば、一言だけ言ってそのまま歩いて行ってしまった。

映司「ザフィーラさん、やっぱり俺のこと、あまり良く思ってないのかなぁ」

はやて「う～ん、ザフィーラは少し特殊やからなぁ…(あかん!このままじゃいつまでたっても関係は良くならへん！ここは私が一皮むかんとなぁ！)」


-ブリーフィングルーム-

いつも通り、はやて、映司、ヴォルケンリッター達で、定期会議をしていると、はやてが定期パトロールのメンバー交代をすると言い出した。

ヴィータ「なんだよ、別に私とシグナムで良いじゃねぇか」

はやて「だめや、たまには違うメンバーにでもしてみよか!」

シグナム「まあ、主はやて がそう言うのなら…(まずい、あの主の顔は何か企んでいる…)」

シャマル「それで、メンバーって誰なの？はやてちゃん」

はやて「えっと、これから数日は 映司くん と ザフィーラ の二人に任せるゎ!」

ザフィーラ「…ッ!？」

映司「え、ザフィーラさんと？」

はやて「ほな、そういうことで、お願いなぁ!」




…１日目

ザフィーラ「……。」

映司「……。」

かなり気まずい空気が流れていた。

映司「…。(まずい、なにか喋らないと!)」

映司は重い口を開いた。

映司「ざ、ザフィーラさん」

ザフィーラ「何だ?」

映司「きょ、今日は良い天気ですね～」

ザフィーラ「…曇りで太陽など見えないが」

映司「な!？あ、ホントだ!あはは～…」

ザフィーラ「…。」


…2日目

映司「…。(今日こそは!)」

ザフィーラ「火野。」

映司「はいッ!？」

ザフィーラ「私はこっちを巡回する、火野はそっちを頼む」

映司「は、はい…。」




…3日目




パトロールが終わった後の帰り道にて…

映司(はぁ、今日もあまり話せなかった…ん？あれって！)

映司「ザフィーラさん!!」

ザフィーラ「なんだ？」

映司「おでん、食べてきましょ！」

ザフィーラ「…？」


-おでん屋台にて-

映司「いや～ミッドにまさか屋台があるなんて、ザフィーラさん、おでん食べたことあります？」

ザフィーラ「あぁ、主が作ってくれた物ならな」

映司「何食べよっかな～、とりあえず、大根と、磯巾着と、…ザフィーラさんは？」

ザフィーラ「…人参と、卵を頼む」

映司「はいは～い♪」


その後、不思議なことに何の抵抗もなく、お互いのことを話していた。ザフィーラは基本無表情だったが、前と比べて自分から良く映司に話しかけてきてくれた。

映司(もしかして…ザフィーラさんってただ単にコミュニケーションが下手なだけで、基本良い人なのかな？)


一時間程度屋台にいた後、二人で帰っていた。

映司「いや～美味しかったですね、ザフィーラさん!」

ザフィーラ「あぁ、久々に楽しかったぞ、礼を言う、火野…ッ!」

その時、ザフィーラが何かを察した！

映司「どうしたんですか？ッ!？」

映司もある気配を察した！
次の瞬間、ザフィーラに対してヤミーが襲ってきた！

ザフィーラ「っ!!」
ザフィーラはなんとか攻撃をかわした。

ヤミーが体制を立て直す。
ヤミー『よこせ、…お前の、速さを!!!』

ザフィーラ「お前がヤミーか、悪いがすぐに終わらしてやる」

映司はあわててオーズドライバーを腰に巻き、メダルをセットし、スキャンする!

映司「変身ッ!!」

『タカ! トラ! バッタ!
タッ!トッ!バッ!タトバ!タッ!トッ!バッ!!』

映司はオーズに変身した!

オーズ「いくぞ！ハッ…て、あれ?」

ヤミーに対してトラクローで攻撃したが
とんでもない速度でかわされた。

オーズ「は、速すぎて攻撃があたらない～!」

ヤミー「オーズ、お前の力はその程度か」

ザフィーラ「俺を忘れてないか？」

ドガァッ!
ヤミー『ッ!？ギャアァァッ!』

ザフィーラの高速の拳がヤミーにヒットした!

ヤミー『俺より速い!？クソッ!!』
ザフィーラ「…遅い!」

ドガガガッ!!
ザフィーラの連続攻撃が次々とヒットした!

オーズ「凄いや…ザフィーラさんってこんなに強かったんだ!!!」

ヤミー『だ、ダメだ、一回退散だ!!!』

ヤミーはそのまま逃げてしまった。

ザフィーラ「逃げ足なら、俺より早いみたいだな」

オーズは変身を解き、ザフィーラに駆け寄った。

映司「大丈夫ですか？ザフィーラさん?」

ザフィーラ「ああ、火野は大丈夫か？」

映司「はい！」

ザフィーラ「…火野、少し良いか？」

ザフィーラは突然深刻そうな顔をして、映司に質問した。

映司「な、なんですか？」



ザフィーラ「今まで生活してきて、お前から普通の人間から感じられない違和感を感じていたのだが…今、火野がオーズに変身して今まで感じていた違和感がわかったのだ、その違和感は今出現したヤミーの感じに非常に、良く似ていた…」

映司「ッ!？」

ザフィーラ「火野、お前…











本当に純粋な、『人間』なのか?」