特に意味のないハナシ。
「手嶋ってさー」
「んー?」
「サボテン育てられないタイプだよな」
「……頭大丈夫か古賀」
「若干数学をやりすぎた感があるのは否定しないけどね。けど前々からそんな感じがすんだよなー絶対に無理無理無理無理。」
「そこまで言われると意味がないとはいえ無性に腹立つな。なんでだよ!」
「説明するか?じゃあココにこれくらいのサボテンがあるとする。」
「小せぇな」
「ちっこいの方が可愛いじゃん。で、名前を『青八木』とする。」
「…ちょっと待て!なんでそこで青八木が出てくんだよ!」
「サボテンは名前つけて栽培すると丈夫に育つんだよ。どうせお前だったら俺が仮定しなくても青八木の名前つけんだろ?」
「………」
「俺以外の前では一応否定しとけなー。まあその『青八木』くんを育てるとする。さて水はどのくらいやる?」
「……一日三回?」
「はい腐らせたー!」
「はあ!?」
「サボテンって何回も水やるもんじゃねえの。夏は週一でいいし、冬は月一。一年くらい水やんねーでも平気なの。」
「可哀想だろそれ!」
「植物じゃん。飢えさせようが枯らそうが俺は平気。」
「う……」
「でもさ手嶋はそーいうの全然ダメだろ。ましてや青八木なんて名前つけちゃったらさー」
「んなこと……!………そんなこと…………」
「うん?」
《 妄想中… 》
「…………いま想像したけどぜってー無理だわオレ………。わかってても水やら肥料やらあげてないと不安で死にそうになる……!!
ちゃんと園芸書買って、土から置場所までこだわりたい!メチャクチャ過保護に育てたい!」
「お前って本当に青八木に関してはギリッギリだな!」
※奇妙な所で出る他人の恋愛観。
青八木がしっかりしてるからいいけど、実は手嶋の愛情過多はけっこうな毒です。
一番上手く栽培できそうなのは東堂かな。過度に甘やかさず適切な対応で花を咲かせられる。
「巻ちゃん!巻ちゃん!」言ってるけど精神的に一番健全な子だから。
そして枯らしても全然構わない派の古賀。
作品名:特に意味のないハナシ。 作家名:山梨