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Power of Love

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「好きだ」

そんな言葉を僕に下さるなんて。
凛々蝶さまが、僕のことを好きになって下さるなんて。
あまりにもうれしくて。あまりにも幸せで。
僕は今までずっと胸に秘めていた言葉を、吐き出してしまった。

「愛しています!愛しています!愛していますっ!」

そして凛々蝶さまに口付けた。


一度外に出した気持ちはもう歯止めが効かない。
一度触れたぬくもりを、もう手放すことはできない。
あの日以来、僕は凛々蝶さまに毎日でも、毎時間でも、いや、毎分ごと毎秒ごとに口付けたい。
でも凛々蝶さまは、まだとても恥ずかしそうで。何回キスしても慣れないようで。
そんな凛々蝶さまも、またとても可愛らしくていらっしゃるのだが。
でも、僕はどんどん貪欲になる自分を意識し始めていた。本当は触れるだけのキスだけではなくて。もっと深く、熱く、口付けたい。でも、僕が求めすぎれば、美しく、純粋な凛々蝶さまを汚してしまうような気がして。


今日も授業が終わって校門から出てくる凛々蝶さまをお迎えしながら、6時間ぶりにお会いできたことを神に感謝した。
「御狐神くん、出迎えご苦労だったな。とでもいっておこうか」
「凛々蝶さま・・・お会いしとうございました」
「いや、朝会ったばかりだし・・・」
「凛々蝶さま!凛々蝶さまは僕と会えなくても平気なのですね!?」
「いや、あの、平気ではない、平気ではないが・・・学校には行かなくてはならないだろう」
「凛々蝶さま・・・申し訳ありません、おっしゃるとおりでございます。ただ、一分一秒でも凛々蝶さまと離れているのがつらく・・・。凛々蝶さま、こんな僕をさげすみますか?」
「なっ!?御狐神くんをさげすむなんて、そんなことあるわけないだろうが!とにかく・・・こほん、さみしい思いをさせてしまったのなら、悪かったな。しかし、僕も学校でもっと知識と教養を身につけ、君にふさわしくならなくてはな。」
「凛々蝶さま!もったいなきお言葉!僕など、凛々蝶さまの存在に比べれば塵あくたに等しく。凛々蝶さまにふさわしい存在になる日など、永遠に来るとも思えません」
「いや、そんな、オーバーな・・・」
「しかし、凛々蝶さまを思うこの気持ちだけは・・・凛々蝶さまを愛する誠だけは、誰にも負けません、この世界中の誰にも負けません!ですから、どうか、おそばに・・・」
「御狐神くん、そばにいてほしいのは、僕のほうだ・・・」
「凛々蝶さま!本当でございますか!うれしいです!でも・・・」
「でも?」
「自信がないのです・・・このような僕が凛々蝶さまに好かれているなんて。自信がもてないのです・・・」
「えっ?そ、そうなのか!?」
「はい・・・凛々蝶さまはこんなにも可愛らしく、清らかで・・・僕のほうはこのように醜く、汚れていて・・・」
「御狐神くん!それ以上いうと、僕は怒るぞ!君は汚れてなどいない!僕は御狐神くんじゃないとだめなんだからな!好きだといっただろう?何回も。」
「凛々蝶さま・・・ありがとうございます・・・もったいのうございます・・・」
僕は涙がにじんてきた。

「御狐神くん・・・君はもっと自分に自信を持っていいぞ。自分のこと、好きになっていいんだぞ」
「凛々蝶さま・・・なんておやさしい・・・」
「・・・かがんでくれ」
「は?」
「だから、ちょっとかがんでくれ、といっている」
「?わかりました」

僕は凛々蝶さまに向かって背をかがめた。彼女は真剣な瞳で、僕の目を覗き込み、その両手を僕の頬に当てた。
「凛々蝶さま?」
「目をつぶれ」
「え?」
「目をつぶれと言っている!」
「は、はい」

僕が目を閉じると、凛々蝶さまが僕の唇に自分の唇を重ねてきた。

「!!っ」

凛々蝶さまからの、初めてのキス。僕はあまりのうれしさに目が回る思いだった。

唇を離した後、凛々蝶さまは言った。
「もう、目を開けていいぞ?」
「はい・・・凛々蝶さま・・・」
「僕はお前が好きだ。日ごとに好きだという気持ちが強くなる。だが、僕はこういうことは初めてで・・・その・・君が初恋だから・・・だから不慣れで、君を不安にさせたり、不愉快にさせてることもあると思う。それは許してくれ。そのうち、その・・・学習してだな、もっとキスもうまくできるようにする。でも、ちょっと時間はかかるかもしれない。しかし、僕が君を好きで愛していることは、揺るがない真実だ。それは、忘れないでくれ。だから。君も自分のこと、少しでいいから好きになってくれ。君はすごく・・・すごく、すてきで、やさしい人だから」
凛々蝶さまは、顔を赤らめながら一気にそうおっしゃってくださった。
「凛々蝶さま・・・」
僕は感動して、胸がつまって・・・

「御狐神くん・・・な、なぜ、泣く?泣くな」
「はい・・・申し訳ございません・・・あまりにもうれしくて・・・」
僕はあふれる涙を止められなかった。凛々蝶さまのやさしさに。凛々蝶さまへの愛おしさに。

「・・・しょうがないな・・もう一回、かがめ」
「・・・はい、凛々蝶さま・・・」
「もう一度、目を閉じろ」
「はい!凛々蝶さま」

凛々蝶さまは、再び僕にくちづけてくれた。一度、二度、三度と、唇を重ねて、離して、角度を変えて。凛々蝶さまの気持ちが、唇を通して伝わってきたような気がした。好きだよ、好きだよ、好きだよ、と。

(ああ、凛々蝶さま・・・なんて、おやさしい。いとおしい。あなたがいとおしい・・・)

「・・・もう、目を開けていいぞ・・」
「はい・・」
「僕が君のことを好きだと・・・伝わったか?」
「はい・・・伝わりました。ありがとうございます。」
「もう、泣かんな?」
「はい、凛々蝶さま」
「よし。さみしい思いをさせて悪かったな。今日はこれから、御狐神くんとずっと一緒にいよう」
「本当ですか!」
「うん、どこか、行きたいところはあるか?」
「はい、あります、凛々蝶さまのお部屋へ、うかがいたく」
「僕の部屋?いつも来ているではないか?」
「はい、凛々蝶さまのお部屋で・・・先ほどの続きをしとうございます」
「つづき?」
「はい・・・だめでしょうか?僕ごとき者がそのようなことを望むなど、恐れおおいことでしょうか、やはり・・・僕は汚れていて・・・」
「いや、いや!そんなことはない!そんな悲しい顔をするな!するぞ!さっきの続きを!」
「本当ですか!」
「もちろんだ!」
「凛々蝶さま!ありがとうございます!」
「う、うん・・・ところで・・・続きとは、どのようなことを??」
「凛々蝶さま・・・お部屋にて、僕がゆっくり、教えてさしあげます・・・」

僕はありったけの笑顔を凛々蝶さまに向けた。

作品名:Power of Love 作家名:なつの