雨降りと馬鹿
空はどんよりと暗く、窓の外は大粒の雨
『はぁ…』
思わずため息がこぼれる
雨は嫌いだ
まず何より濡れるのが嫌
それに部活が出来なくなるから嫌
『はぁ…』
おまけに今日は傘を忘れた
母さんに言われてたのに忘れていった自分も悪いんだけど…
まぁ、そんなわけでオレは放課後の誰もいない教室でボーっとしている
雨が止む気配はない
そろそろ諦めて帰るか、そう思っていたとき教室のドアが開いた
「佐久間、こんなところで何してるんだ？」
入ってきたのは源田だった
『別に何もしてない』
素っ気なく答える
何故かオレはコイツに冷たい態度をとってしまう
嫌いではない…はずだけど
「帰らないのか？」
傘を手にした源田が言う
……それは傘を持ってないオレに対する嫌みか
『帰りたくても帰れねぇんだよ』
「……もしかして傘持ってないのか」
やっと気付いたのか、遅ぇんだよこの野郎
『あぁ…』
前言撤回、やっぱコイツ嫌い
「じゃあ一緒に帰るか？家まで送ってやるよ」
「……わかった」
濡れて帰るより、コイツと帰る方がマシだと思った
雨降りと馬鹿
(コイツと一緒なら、雨も悪くないかもしれない)
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素直になれない佐久間、可愛いと思いますｗｗ