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もかこ@久々更新
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novelistID. 3785
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だいすきだよ。

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ねぇ、好きだよ。
大好き、大好きだよ。
何かね、もっと素敵な表現がしたいけど、
頭の中はこれでいっぱいなんだ。
大好きだよ。



今日はドイツ、徹夜で仕事だからって、泊めてくれなかった。
寂しくて寂しくて寂しいのに、ドイツ、何で一緒にいてくれないの?
ドイツ、寒いよ。
一人じゃ、眠れないよ。

「イタリアくん、イタリアくん」
「ヴェ〜?日本?」

トントン、と優しいノック。
小さな、でも兄ちゃんみたいな日本が顔を出す。
にっこり笑って、枕元に来た。

「一緒に寝ましょうか。」
「え!?本当に!?」
「ほら、枕も持って来たんですよ。」
「やったぁ〜!一緒に寝よ、日本!一人で寂しかったんだぁ〜!」

日本は抱きつくとちょっとふらっとして、でもすぐに頭を撫でてくれた。
可愛い、って笑ってくれた。

「ドイツさん、今日は徹夜ですってね。あの人の真面目さには私も敵いません。」

ドイツの名前を聞いたら、嬉しかった気持ちが急落下して、
寂しいなって思う気持ちが、俺の心を包んだ。
ドイツ、胸が苦しいよ。
会いたいよ、ハグしたいよ。

「会いたいよ・・・日本、ドイツに会いたいよ。」

日本は小さく笑って、ダメ、と俺をいなした。
ちょっと会わないだけで、こんなに苦しいんだよ、こんなに泣いちゃいそうなんだよ。
俺が訴えても、日本は首を振って、俺の頭を撫でるばっかりで。

「・・・偉いですよ、今日のイタリアくんは。
ドイツさんのところに押し掛けてないし、ちゃんと一人で寝ています。
ドイツさんと会ったら、誉めてもらいましょうね」

日本の笑う顔はすごい可愛い。
何かドキドキしちゃうくらいだよ、でも誉めてもらうなんてないことだから、嬉しくって。

「ふぇ・・・う、うん!いっぱいしてもらお!」
「は?」

今まで優しく笑っていた日本の顔が引き攣る。

「え?いっぱいしてもらうの。俺の寂しかった気持ちがね、消えるまで。」

すごい勢いで怖い、無表情になっていく。
あれ?俺、何かいけなかったのかな?

「・・・に、日本?わあぁっ」

突然胸に抱き締められて、俺は慌てる。どうしたの日本、腕が痛いよ、アームホールドだよ!

「痛いよ、痛いって日本〜!謝るから離してぇ!」

俺が泣き叫ぶと日本がやっと離してくれた、
何でドイツも日本も、怒るとプロレス技かけてくるんだろう。
咳払いして、俺を真っ直ぐ見てくる。

「・・・・そういう下品な話は、フランスさんにしなさいイタリアくん・・・」
「駄目だよ、兄ちゃん襲ってくるもん!兄ちゃん女の子じゃなくてもいいんだもん!怖いよ!
・・・それに、大好きな人とエッチしたい、って、下品な話、かな?」

俺も真っ直ぐに見つめ返す。
日本は気まずそうに目を反らして、小さく呟いた。

「・・・私は嫌いです」
「日本は、一日中繋がってたいって思うくらい好きな人、いなかった?」
「いません」

即答、寂しいよ。
そう言えば、日本のことを好きって言ってる人はいっぱい見るけど、
日本はその中の誰とも付き合わない。
何となく、平等に付き合って、フラフラ、相手イライラしちゃうんじゃないかな。
イギリスなんて怖いよね、日本、笑って一緒にいたりするけど、怖くないのかな?
ドイツはね、怖いときもあるけど、それ以上に好きだからいいんだよ。

「俺は、ドイツとずーっと繋がってたい。
離れたくないよ、壊れちゃってもいいと思うんだ。
ドイツが一緒なら。
ドイツと一つになれるなら、俺それでもいいんだ。」

それくらい俺、ドイツのこと好き。
寝ても覚めてもドイツのことで頭がいっぱいで、
ずっと頭いっぱいでいたいから、カラダもいっぱいにしてほしいと思うんだ。
ドイツでいっぱいになって、ホント嬉しくて泣いちゃって、
ドイツは俺が泣くと、すごく心配するんだけどね。

「日本も早く、そんな人と会えるといいね?
ねぇ、毎日が、キラキラするんだよ。」
「そうでしょうね。」

もう眠りなさい。なんて、オーストリアさんに言われてるみたいだよ。
うん、明日になったら、またドイツにハグしてもらうの。
キスして、ハグして、一緒にご飯食べて一緒に寝て、
幸せ、幸せだね?



空は明るくなり始めていた。
カーテンの向こうでは、鳥達が目覚めの歌を歌っている。
そっ、と、ドアを開く。
息を殺し近づいて、眠る日本とイタリアの傍に寄った。
眠っている。
ドイツはひどく安心して、二人から少し離れ、大きな、しかし声はださないように、溜め息をついた。

「ドイツさん。」
「っっ!?」
「しぃっ。イタリアくん、眠っていますから。」

いつの間にか隣にいた日本に、ドイツは口元を押さえ声が出ないようにして驚く。
本当に油断ならない、小さな彼。

「な、何故・・・起こしてしまったのか・・・?」
「年寄りなもので、あまり長くは眠れないんです。
・・・さ、よ〜く眠ってますから、ちょっとやそっとでは起きませんよ。
抱き締めて、口づけを。」
「なな、何を言ってる・・・」
「イタリアくん、たくさん私にノロケてくれました。
可愛いですね、
あまり無理をさせないようにしてくださいね。
では、私はこれで。」

いつになく大胆な発言を繰り返す日本にひたすら慌てて、
ドイツは口をパクパクさせながら去っていく日本の後ろ姿を見つめた。
敵わない。本当に。
年の甲だか、亀の甲だか忘れたが、日本のああいう強さには、全く歯が立たないのだった。
それは他の、日本に想いを寄せる連中も同じで、
あの日本を押し倒して色々しようと言うのだから奴らは命知らずだと思う。

「ふぅ・・・んっ・・・」

イタリアが寝返りをうって、白眼をむく。
普通に寝返りをうつだけなら可愛らしいのだが、これは怖かった。

「全く・・・白眼をむくな、気味が悪い・・・」

瞼をそっと閉じてやり、ベッドに潜り込もうか迷って・・・止めた。
柔らかい猫っ毛を撫でると、果てしない勢いで眠気が襲ってくる、
ドイツはイタリアの傍らで、顔を伏せ眠ることにした。