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K.K.P.#8 『 うるう 』二次小説

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この文章を読んでいる君へ。
もし読んでいるのがよいちでないのなら、このノートを元のところにそっと戻しておいてほしい。
これは、私の大切な友達のために書いた手紙だから。

さて、改めて。
よいちへ。
これを読んでいるということは、僕は君を置いていってしまったのだろう。
君と最期まで一緒にいられなかったことをとても悔しく思う。
でも僕は悲しんではいないよ。僕はよいちと友達になれて、本当によかったと思ってる。
君のおかげで僕の世界は広がった。君がいなければ、僕はあんな曲は作れなかった。
君は気づいていたか? 僕が「僕」という言葉を使うのは、君の前だけだったってことに。
それは、子供の頃の僕が君の言葉遣いにあこがれたからだったんだ。
大人になってみて、この言葉遣いはそれほど珍しいものじゃないと知ったけど、それでも僕にとっては特別なものだった。

よいち、君はあの話を覚えているかな。
僕たちが別れなきゃいけなかったあの日に、僕が君に言った話。
僕は忘れていない。それに、未だに信じてる。
君のお父さんもお母さんも暦さんも呉村先生もグランダールボも僕も、よいちの前からは姿を消してしまったけれど、よいちは決してひとりぼっちなんかじゃないよ。
つらいときは、夜空を見上げて泣いて見せてよ。
僕たちは、そこから君を見てるから。

僕との思い出が、君をただ苦しめるだけのものになっていないことを祈る。
それじゃ、またいつか。

                       まじる