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のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』

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CHAPTER2 大通り AREA1『軍人』


地上へ出ると、周囲はゾンビだらけで、瞬く間にゾンビに囲まれてしまった。
「!!しまった!!!地上にはゾンビがいたのか!!!」
と、のび太が叫んだ。
「もう駄目だよ〜〜〜!!!」
と、真理奈が叫ぶ。
「ゾンビごときがどうした!RPG-7で吹っ飛ばしてやるよ!!!」
と、燐は今にも『RPG-7』をぶっ放しそうな勢いである。すると、のび太の足元に何かが転がってきた。
(・・・・・ん?何だこれ?)
その転がってきた物体は、黒い円筒型の形状をしていた。そして、のび太は気づいた様に燐と真理奈に向かって言った。
「燐さん、真理奈ちゃん!今すぐ耳と目を塞いで!!」
と、のび太が叫ぶと、真理奈はのび太に尋ねた。
「何で?」
と、真理奈が言うと、のび太はすかさず言う。
「いいから、早くして!!」
そののび太の言葉を聴くと、燐と真理奈は目と耳を塞いだ。
すると、すぐに強烈な光と大きな爆音が響いた。そのおかげでゾンビ共は視覚と聴覚を一時的に失った。
光と音が収まると、のび太は目を開き、耳を塞いでいた手を耳から離した。すると、路地裏の奥から声が聞こえてきた。
「こっちだ!早く来い!!」
するとのび太は真理奈と燐に、
「あの路地裏に逃げ込みましょう」
と、一声掛けると、声のした路地裏に向かって走った。真理奈と燐ものび太の後を着いていく。
「ちょっと、一体何があったの?」
と、真理奈がのび太に訊く。するとのび太は応える。
「誰かが音響手榴弾(スタングレネード)を投げ入れたんだ」
そののび太の言葉を聴いた燐は喋る。
「音響手榴弾(スタングレネード)って、閃光と爆音で視覚と聴覚を奪う手榴弾だっけか」
と、燐が言うと、真理奈が喋る。
「でもその『投げ入れた人』って誰さ?」
と、真理奈がのび太に訊くと、のび太は応える。
「いや、解んない。多分この先に居ると思うんだけど」
と、のび太が言うと、真理奈と燐は後は何も言わなかった。
暫く進むと、路地裏から大通りへと出た。そこには赤い乗用車と、戦闘服を着た1人の男性が居た。その男性は、バックパックを背負っており、髪はあまり整えられていない黒の短髪で、髭を生やしていた。ぱっと見た感じ、30代位に見えた。その男性が着用している戦闘服は、黒や紺色を基調とした物で、下は長ズボン形状になっていて、上半身は半袖状になっていた。肩や胸などの要所には服の内側にプロテクターが装着されているのが確認できた。更に、胸辺りに2つのポケットがあり、肩にはベルトが掛かっていた。肩のベルトにはホルスターと思われる物があり、そこにハンドガンが収納されていた。腰辺りを見ると、そこにもベルトがあり、右と左に銃が収納してあるホルスターが見えた。
「おっ、何とか無事みたいだな」
と、軍人かと思われる男性は言った。すると、のび太が話す。
「危ない所を助けて頂き、ありがとうございます。僕は野比のび太といいます。あなたは?」
と、のび太が訊くと、その男性はのび太の言葉に応える。
「俺の名は、『玄洞(げんどう) 巌(いわお)』。仲間内からは巌(いわお)って呼ばれてる。……こっちの嬢ちゃん達は?」
と、巌が訊いたので、のび太は2人の代わりに言った。
「え〜と、こちらの人が『牧野燐』さんで、こっちの僕と同じ位の女の子は、『相葉真理奈』ちゃんです。
・・・・・・ところで、巌さんは、何でこんな所に居るんですか?」
と、のび太が巌に訊いたので、巌は応えようとしたが、
「ウァァァァゥゥゥ」
という、唸り声がしたので、巌は、
「取り敢えず詳しい話は車に乗ってからにしようぜ。ここじゃ危険だからな」
と言った。すると3人は車に乗り込んだ。勿論、巌が運転席に座り、のび太は助手席に座り、真理奈と燐は後部座席に座った。
やがて、車は大通りを走行し始めた。すると、巌が喋る。
「・・・・・・さっきの質問の事だが、まぁこの服装で解ると思うが俺は軍人だ。政府直属の極秘軍事特務機関『F.I.A.S.S.U.F.E.(フィアスサフィー)』の隊員だ」
と、巌が言うと、のび太は巌に尋ねた。
「『F.I.A.S.S.U.F.E.』とは?」
そののび太の言葉を聴いた巌は応える。
「『F.I.A.S.S.U.F.E.』つーのは、『緊急事態における現地調査及び鎮圧特殊部隊』の事で、
『Field Investigation And Suppress Special Unit For Emergency』と言い、略して、
『F.I.A.S.S.U.F.E.(フィアスサフィー)
』っていう機関だ。ここら一帯で暴動やら猛獣が暴れているっていう情報を掴んだんでな、俺達はそれを調べに来たって訳だ」
巌のその言葉を聴いた燐が巌に訊く。
「俺達?あんた1人しか居ないじゃないか」
と、燐が言うと、巌が応える。
「別行動をしているが、俺の他にも後2人、隊員が調査に来てるんだ」
と、巌は言った。巌は続いてのび太達に訊いた。
「・・・・・・で、あんた等はどういう経緯(いきさつ)でここに居るんだ?まっ、どうせ訳ありだと思うが」
巌のその言葉を聴いたのび太は、ここまで来るまでの経緯を話した。










「・・・・・・随分とまぁ凄い体験してんだなお前等」
と、巌が感嘆の声を漏らした。巌は続いて喋る。
「んで、お前等はその『ナムオアダフモ機関』に行こうとしていると?」
と、巌がのび太に言うと、のび太は頷いた。
「とすると、その企業を調査すれば何か解りそうだな」
と、巌が呟いた。すると、車のサイドミラーに何かが映ったので、巌はサイドミラーを覗いた。
「・・・・・後ろから、・・・・・・バギーか?」
と、巌が呟いた。そして、のび太達も後ろを振り向いた。
「・・・確かにバギーだな。それに、ぱっと見、30台位居るな」
と、のび太が呟いた。

すると、後方のバギーから声が聞こえてきた。
「え〜、前の軍用車は止まりなさい!止まらない場合、武力制裁による実力行使をさせてもらう。我等『ナムオアダフモ機関』の栄光を邪魔する者は何人(なんびと)たりとも許さん。我々『第一特殊部隊』が成敗してくれるわ」
との言葉が聞こえた巌は言う。
「へぇ、大仰なこった。話を聴く限り、その『ナムオアダフモ機関』っていう企業が、非正規の部隊を造ったってとこか。・・・・・・・でもこの車、市販されてる一般車なんだよなぁ。なのに軍用車って言ってくるって事は、相手は俺達『F.I.A.S.S.U.F.E.』の事も知ってるって事か」
と、巌が呟くと、暫くして後方から何かが飛んできた。
「わっ!何あれ!?」
と、真理奈が思わず叫んだ。後方から飛んできたのは85mm榴弾だった。
「ちっ、あいつらマジでやる気かよ!!・・・・・・あれだけの数の榴弾を回避するとなると、難しいかもな」
と、巌が呟くと、のび太が話し掛ける。
「巌さん。僕が上に出て榴弾を迎撃します。運転の方はお願いします」
と言うと、のび太は車のドアを開けて、車の上に攀(よ)じ登った。
「おい!ちょっと待てよのび太!!」
と、巌はのび太を制止した。しかし、のび太は降りては来なかった。のび太を止めるのは無理だと判断した巌は喋る。
「ち、仕方ねぇ。のび太!無理すんなよ!!」