のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』
「前回は、ちょいとヘマしたからな。でも、もうヘマなんかしないぜ」
ジャイアンのその言葉に続いてスネ夫も喋る。
「僕だって、あの時は慣れて無かっただけで、もう大丈夫だよ」
スネ夫がそう言うと、ジャイアンが言う。
「とか言っといて、病院に駆け込むときは結構ビビってたじゃんか」
と、ジャイアンが言うと、スネ夫は喋る。
「ま、まぁそれはそれって事で・・・・」
と、スネ夫は言った。そして、暫く3人で話し、3人は笑い出した。バイオハザードが発生してから初めて会話らしい会話をしたので、気が緩んで、楽しくなってきたんだろう。それを聞いていた巌と迅も、心なしか楽しそうだった。
暫く楽しく会話をしていたが、のび太が異変に気がついた。
「・・・・・・・・・・・・?」
すると、のび太の様子がおかしいのに気づいたジャイアンは言う。
「どうしたのび太?」
と、ジャイアンがのび太に訊くと、のび太は応える。
「いや、何かヘリコプターの音が聞こえるような・・・」
と、のび太が言うと、車内に居る全員が耳を澄ました。すると、確かにプロペラの音が聞こえてきた。不審に思った巌は車のサイドミラーを覗いた。すると、そこには、数機の戦闘ヘリが見えた。
「おい、後ろに大層なお出迎えが見えてるぜ」
と、巌が全員に向かって冗談をかまして言った。すると、後部座席に座っているのび太達も後ろを振り向いた。すると、10機程の戦闘ヘリが見えた。
「あれは・・・・・?」
と、のび太が呟くと、巌が言う。
「『AH-1コブラ』だな。バギーの次は戦闘ヘリと来たか。出し物が沢山あるな」
巌がそう言うと、ジャイアンが喋る。
「冗談言ってる場合かよ・・」
と、ジャイアンが言った。
すると、後方の戦闘ヘリがガトリングランチャーを放った。
「わぁ、撃ってきたよお!!」
と、スネ夫が叫ぶ。
巌は、弾丸に当たらないように車体を揺らして弾丸を回避していた。そして、狭い路地裏へと、車を進めた。すると、のび太が言う。
「・・・・・・じゃあ、僕が行って、相手を引き付けます」
と言うと、のび太は、さっさと車から出た。
「おい、のび太!待てよ!!」
車から出て行ったのび太を見たジャイアンがそう叫んで、のび太を追い掛けて行った。
「・・・・・・行っちまったな。迅、これからどうする?のび太追うか?」
と、巌は助手席にいる迅に訊いた。すると、迅は応える。
「まぁ、向こうは彼等だけで充分でしょう。それよりも、玲さん達の方と合流しましょう。スネ夫君もそれでいいですか?」
と、迅は巌の言葉に応えた後に、スネ夫にそう尋ねた。
「うん、それでいいと思うよ」
と、スネ夫は応えた。すると、巌は玲に通信した。
何回かコールした後、玲が出た。
「こちら巌。玲、何処にいる?」
と、巌が玲に尋ねると、玲は応える。
「・・・何処かは解らないけど、何処かのビルの中に居るわ。屋上に燐が上がって行ったから、屋上を見れば解ると思う」
と、玲は応えた。すると、巌が返事をする。
「じゃ俺達は、周囲のビルの屋上を確認して、燐の姿が見えたらそっちに合流する。・・・・・ああそれと、のび太とジャイアンは相手を引き付ける為に向こうへ行っちまったぞ」
巌が玲の言葉に返したついでに、のび太とジャイアンの事も話した。すると、玲が言う。
「……まぁ、私達が近くに居ても足手まといになるだけだし、いいんじゃない?それより、早く合流した方がいいと思うけど」
玲がそう言うと、巌は言う。
「そうだな。じゃ、切るぜ」
と言うと巌は、通信を切った。そして、他の2人に言った。
「どうやら玲達は、どっかのビル内に居るらしい。んで、燐がそのビルの屋上に上がっているらしい。屋上に居る燐を見つけたら、玲達と合流するぞ」
と、巌が言うと、巌と迅とスネ夫の3人は車から出た。そして、すぐ近くのビルの中に入り、窓から、周囲のビルの屋上を見た。時間が掛かると思われたが、意外とあっさり見つかった。
「居たぞ!あのビルだ!」
屋上に居る燐を見た巌は、そう叫ぶと、燐が居るビルに向かって走って行った。
作品名:のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』 作家名:MONDOERA