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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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Cecchini

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 もう、すぐ、二人は、…


 一緒になれるね。

 あなたは正義感を持った青年。あなたはすべての誠実なるエレメントを持った、そんな人でした。誠実とか、そういうと空虚に思えますが、そういう、あなたはすべての『悪』を心から排除した人でした。それはそれは、全ての分身を私というものに閉じ込めたような。私はあなたとは異質すぎました。何でここまで反対になれるのだろうかって、思えるほどにね。世界に一つ、白の姿を作った副産物なのでしょうか。そんな私たちなのに、むしょうに惹かれあったのでしたね。何で。あなたはずっと笑顔でいれたのでしょうか。私はあなたにすごくわがままでした。それをすべてあなたは快諾しました。別に何の能力者とかそういうわけではないけれど、私はすべての『悪』だった。ということをあなたは知っていた。それでもあなたは、私の存在も否定しなかったのです。私はずっとあなたのそばで、いわば陰になっていたのです。そのおかげで国家権力にマークされずに悪の姿をとることができたのです。
 あなたは『悪』というものを毛嫌いしていたのに、それを心の奥から周りから、すべて染められた『私』という存在を責めなかった。別にあなたは孔子様とはまったく違う考えをした人だったのでしょうが。孔子さまは、「罪を責めて人を責めず」といっていましたが、あなたはその人も責める人でした。それでも私を受け入れ、受け止め、そして二人、いろいろな所に行きました。その間、私は自然でいられた。何のくすぶりもなく。
 私は、手にもつ銃を見つめています。分かっています。これが意味するところは。そうです。
 私はあなたと世界を旅することができました。その間、私はただの女でいられたのです。悪というものではない。あの日、あなたに導かれるように私は普通の女性のようにショッピングに行くこともできたし、私の誕生の日にあなたはプレゼントもくれた。そのまま、私はすべてをあなたにゆだねて。いろいろな人に会いに行けるのでした。私は、あなたを介してしか、他の人に接することができなかったのです。あなたはすべての私の欲求を満たす人でした。そう・しかし、そうです、私はそれがゆえに人格のあるあなたを、『道具』として扱ってしまった。『道具』として人を扱うことは、あなたが初めてではなく、もはや癖のようになってしまっていたのですが。人に近づいて、その人をだまして、その人に罪をなすりつけて、逃げて、その人が自殺したり、死刑となって刑が執行されたり。そんなことを聞いても、まったく意に介さなかった私なのに、_。
 黒の混ざった私の心にあなたの城が入ると、すぐにグレーになりました。しかし、もともと黒かった私は、限りなく白に近くなっても、グレーにしかなれないのです。曖昧模糊。Vague Haze.
 なんで…なんで…そうして、あなたの心までグレーにしてしまったのですね。本当に…ひどい人間でした。というより、人でなしでした。あなたが苦しむその心を私はあなたの一番近くにいて、しかし最近まで気づくことのなかったという。残忍すぎました。Sono stato brutale.でも仕方ないとあなたは許してくれました。あなたはそして、最後に一つ嘘をつきました。『僕が悪いんだ』って。Dolorosa.そんなはずがないでしょう…。
 私は、あの日届いた銃の意味を理解することは今はできなかった。でも、今は分かる。
 あなたと見た花火はとてもよかった。きれいなきれいな、それはずっときれいな、しかしはかなく散り、そのあとは残さない、さくらよりもさらに潔い、そんなものだった。Fuochi d'artificio sono fragili.まるで私たちのように。
 
 いいでしょう、もう。あなたがあんなことを言わなければ泣かずに済んだのにね。仕方ないから、私は、泣きながら。そして、あなたに_すると私は自分にも_することにしました。ずっといっしょにいようね、って言ってたもんね。
作品名:Cecchini 作家名:フレンドボーイ42