東方で遊戯王
夜に出てみたんだけど……どこに行っていいかわからないわ。暗くて)
私、博麗霊夢は『異変』を取り締まるための捜索をしていた。
この幻想郷の世界では最近明らかな異変が起きていた。
日中に空を赤い霧が覆い、日の光を遮断してしまうというものだ。
ただの自然現象なのかもしれないが、博麗の巫女の務めとして、
幻想郷の秩序を保つ義務がある。
それで、怪しいやつの出やすい夜に、神社を飛び出し捜索中というわけだ。
妖怪退治の類なら暇くらいつぶせるだろう。
(でも……夜の境内裏はロマンティックね)
あたり一面に広がる森の中に、湖がある。
その湖に反射し揺られている月の光。
上空から見るその景色は風情があるものだ。
「夜って、お化けも出るし、たまんないわ」
「…あんた誰?」
突然、見た目は10程度の子供のような妖怪が現れた。
おかっぱ、というほど整えられてはいないが、セミロングの金髪に
白いシャツ、黒のベスト(のような服)にスカート、赤いリボンのアクセントといった格好だ。
よくわからないが、両手を伸ばして広げた格好をして、私の前に浮かんでいた。
「さっき会ったじゃない。あんた、もしかして鳥目?」
さっき?さっき見かけたものといえば、わけのわからない黒い塊が
ふよふよ浮いていたくらいだ。
たいしたものではなさそうなので放っておいたが。
「人は暗いところでは物が良く見えないのよ」
「あら?夜しか活動しない人も見たことある気がするわ」
夜しか活動しない人は良く見えると?なんか、めんどくさいやつだ。
「それは取って食べたりしてもいいのよ」
「そーなのかー」
「で、邪魔なんですけど」
「目の前が取って食べれる人類?」
要はお腹が減っていると。
準備運動にはこの程度のやつの相手をするのもいいかもしれない。
「良薬は口に苦しって言葉知ってる?
邪魔をするなら容赦しないわ。覚悟はいいかしら?」
幻想郷では、スペルカードバトルが争いごとの解決法だ。
魔力を封じた札でお互いのライフを削りあう。
「「デュエル!!」」
今回の『異変』の最初の戦いが始まった。