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Secret Operations

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 安藤さんはそう言うと、ゆっくりと部屋の奥に進んでいった。部屋の奥からは、聞き慣れたが何度聞いても聞き慣れない嫌な音が聞こえていた。またゾンビか……。俺はそう思いながら安藤さんと共に曲がり角の先を覗いた。部屋の奥には惨殺された死体があった。しかし、その近くにいたのはゾンビではなかった。いや、最早人間の形をしていなかった。手足は6本あり、蝿の様な頭であった。その異形の生物は、死体の上に覆い被さって貪っていた。ゾンビかと思っていた俺と安藤さんは少しの間棒立ち状態だった。すると、俺達の存在に気づいたその生物は俺達の方を向いた。そして、四つん這い状態になると、6本の足を動かしてこちらに向かってきた。俺と安藤さんは状況が読めないながらも、その生物に対して発砲を試みた。銃弾は確かに命中した筈だが、それでも、その生物は怯まずにこちらに向かってきた。俺達とその生物との間が、歩いて三歩程の距離になると、その生物は六足歩行状態から二足歩行状態になった。そのまま安藤さんの方に向かっていき、安藤さんに掴み掛かった。
「安藤さん!」
 俺はそう叫ぶと、安藤さんに掴み掛かっている生物に向かって発砲した。しかし、何発か撃った時にスライドが後退したまま止まった。俺は急いで弾倉のリロードを行った。しかし、慌ててしまってなかなかうまくいかない。やっとうまく弾倉を装填し、スライドを戻すと、再び異形の生物に照準を合わせて発砲した。腹部辺りに弾丸が命中したが、少しよろけただけで、なかなか倒れない。俺は狙いを変え、安藤さんに掴み掛かっている生物の腕を狙い撃つ事にした。腕を撃てば、安藤さんがその生物の腕を振り払えるかもしれないからだ。さっきよりもよく狙って安藤さんを掴んでいる腕を撃った。ゆっくりと引き金を絞ると、弾丸はその生物の腕に命中した。その隙を狙って安藤さんはその生物の腕を振り払った。安藤さんはその生物と距離をとり、肩に掛けていた『H&K MP5A5』を構えると、1発だけ発砲した。放たれた9mm弾はその生物の頭部に命中した。
「GISYA!」
 その生物は人間では出せない様な奇声を挙げた。その生物がよろけた隙を狙って俺もその生物に発砲した。
「GISYAA!」
 その生物は再び奇声を挙げると、その場に仰向けに倒れた。俺と安藤さんはその後も暫くの間、倒れた生物に銃口を向けていた。……その生物が全く動かないのを確認すると、俺達は銃を下ろした。改めてその生物をよく見てみると、体躯はまさに虫の様であり、腕や脚の先端部分や間接部分に特にそれが顕著に出ている。頭部には先程安藤さんが撃った弾丸によって出来た弾痕があり、破壊された頭部の内部を見てみるとやはり人間のものではなかった。
「何なんだこいつは。いままで出会ったどの奴らとも違うな」
 安藤さんがそう言うと、俺は安藤さんに向かって言った。
「というより、人間じゃないよ。見た感じでは昆虫のようにも見えるけれど」
 俺がそう言うと、安藤さんもその生物を近づいて見た。
「……確かに、人間と云うよりは、人型の昆虫と云った方がしっくりくるな。しかし、こんな巨大な昆虫がなぜいるんだ。状況が全く読めない」
 安藤さんがそう言うと、俺もその直後に喋る。
「そうですね。ここまでくると、昆虫とか生物って云うより、最早怪物にしか見えない」
「町に徘徊するゾンビや野犬に巨大なカメレオン、更には160cm近くもある巨大な昆虫か。想定外の事ばかりだな」
 そう言った安藤さんは心なしか疲れているように見えた。安藤さんも訓練を積んだSAT隊員とはいえ、こんな状況を想定した訓練までは積んでない筈。更に、銃を使えるとはいえ、まだ小学生の僕達を守らなければいけない立場だから、僕が思っているより相当疲れているかもしれない。僕もただ付いて行くだけじゃなくて、安藤さんと同等に奴等と戦えるようにならなければならないな。
 俺はそう考えながら、印刷室の制圧を再開した。L字型の通路を進むと、その奥には、さっきの虫の怪物に襲われたと思われる人物がいた。その人は無惨に喰い散らかされており、生きてはいなかった。恐らく、さっきの怪物にここまで追い詰められたんだろう。周囲を見てみると、プリンターと机があり、床と机に何かのプリントが散乱していた。そのプリントは殆どが血で汚れていて、書いてある文字が読み取れない状態だった。プリンターを見てみると、どうやら問題なく動作するようだった。その他には特に気になるものはなく、ゾンビもいなかったので、印刷室を後にする事にした。この印刷室で、俺達の制圧範囲は終わったので、俺と安藤さんは拠点である理科室に向かう事にした。
作品名:Secret Operations 作家名:MONDOERA