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ネメシスの微睡み~接吻~微笑

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 ――聖域の叛逆者アイオロスの弟。

 彼に貼られたレッテルは過酷なもの。それでも彼は一人で耐えてきたのだろう。あまつさえ黄金聖闘士でありながら、雑兵となんら遜色ない生活を強いられていると聞き及んでいた。
 後輩の指導といいながら、体のいい雑用係だと嘲る言葉さえ聞いた。当のアイオリアは気にも留めていないようで、むしろ糧として逞しく生きている。
 私の言葉に少しばかりはにかんだような笑みを浮かべながら、「ひどいな」と肩を竦めた。

「おまえの意見が聴けて、納得できたし。俺、そろそろ戻るわ。十二宮に入ったのがバレると、おまえにも迷惑かかっちまう。ところでシャカ、しばらくは聖域にいるんだろ?」

 時間が合えば、一緒に食事でもしようぜ、とのアイオリアの申し出にゆるく首を振った。

「いや……悪いが、勅が下ったので、早朝には中東に向かう予定だ」

 アイオリアの顔が一瞬曇ったが、すぐに眦を下げて口角をゆるく上げた。

「そう、か。気をつけろよ?」
「ああ」

 ぽん、と軽く肩を叩くとアイオリアが去って行った。その後ろ姿を見送りながら、不用心だったと反省する。彼は獅子座の聖衣を教皇預かりとされていた。来る聖戦の時まで、黄金聖闘士としての地位は剥奪されたのだ。いつ謀反を謀るかもしれないとの用心のためであろうが、彼がそんな後ろ暗い企てをすることなどありえないのに……と悔しくさえ思う。
 アイオリアの気配がすっかり自宮から無くなったところで、教皇の印を施された封書をもう一度、手に取った。宮に戻る道すがら目を通してはいたが、その内容は吐き気さえ催すものだった。
 人知れず代替わりしたのかもしれない現教皇。だとしたら、随分と用心深く、小胆にさえ思わせるほどの周到ぶり。そして、まるで人間を憎んでいるのではないかと思えるほど、己が信ずる正義に対し、盲目的で執拗、そして残酷でさえあるようだ。

「……生死は問わない、殲滅しろ、か」

 くしゃりと書状を丸めた腕をそのまま双眸に乗せ、ぐっと奥歯を私は噛み締めた。