きみのすきなとこ。
説教がますます酷くなるとか、あんまり大きくない声が大きくなるとか、歌うとか、ひどいよ。
でも、そんなところも好きなんだよ。
あとね、お酒飲んだドイツの一番好きなところはね・・・
眠い目を擦りながら、ドイツが本を読んでいるのを見てる。
あぁ、鼻が高いな、
青い瞳が綺麗だな、
顎の角張ったラインが好きだな、
ドイツは俺の持ってないものをたくさん持っていて、いつまでも見ていたくなる。
こっち見た。
気づいた。
「・・・まだ寝てなかったのか」
「・・・うん。ドイツ見てたよぉ。」
俺の頭をくしゃくしゃっ、て撫でて、ドイツは仕方ない、みたいな顔で笑う。
ドイツの笑った顔が好きだよ、なかなか見られないからね。
「全く・・・ミルクでも飲むか?温めて、持って来てやる」
「ん〜ん、お酒飲もうよ。ドイツも一緒に。」
「・・・お前からそんなことを言い出すとは、珍しいな。」
ドイツはお酒が好きだ。
でも翌日に残るといけないから、と、普段は飲まない。
ホントなら毎日飲みたいのにね。
我慢してるのって、ガンの原因になるんだってさ。
笑うと、ガン細胞が減るんだってさ。
笑おうよ、二人きりだもの。
誰も気持ち悪いなんてムカつくこと言わないよ。
二人で笑ったら、セックスしよう、多分ストレスとか吹っ飛んじゃうよ。
「ドイツ、ドイツ、だいすき・・・」
ワインを飲んで、キスしようよ、俺たち、ずっと一緒だよ。
「・・・・・・寝たか」
抱き上げようとする前に、イタリアは寝息をたてていて、ドイツを少し、がっかりさせた。
同時にホッとして、微妙な気持ちに名前すら思い浮かばない。
眠る唇にそっとキスをすると、何だか甘い気がした。
「おやすみ、イタリア。」
腕に絡み付いてきた細い腕をそのままに、ドイツは目を閉じた。