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「俺はお前がきらいだ」
　鏡に映る「自分」はそうやって答えた。

　「そう。僕も、嫌いかな」

　自分の言葉が嘘だってことは、自分でもよく知っていた。



　僕も
　俺も


　自分の気持ちに素直になれないのは、同じらしい。


　鏡の中の自分と笑って、「それじゃ、オヤスミ」と電気を消した。




　今日は満月です。月明かりがきれいでした。