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隣のバンゴハン 【俺ティ】

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「ぐっ…、このっ…っ、こ、こぉぉぉしぃろぉぉぉぉっっっ!!!」
「ハハハハっ!!……地に手を付く姿ぁ、楽しみやなぁ…あぁきぃみぃつぅぅ!!」
「だっ、駄目よっ!二人とも…っ!」
「止めるな、姉ちゃんっ!」
「そうやっ!止めたらアカンっ!」
「!!!!」
「これは男同士の勝負や!!」
「勝つか負けるかやない!死ぬか生きるかの勝負なんや!!」
「そ、そんなっ…っ!駄目よぉぉ!!二人を死なせやしないわぁぁぁ!!!」

誰の叫びが何を呼び起こしたのか。

ズガガッッ

盛大ない音を立てて畳の上を滑る三体の影。
しかし、軽い身のこなしで起き上がるとそれぞれ、浮いたボール目がけて手を伸ばす。
あたかも、このボールを手にしたものが勝者・・・・いや、唯一の生者となるのだと言う様に。
誰もが予想だにも出来なかった、し烈な争い。
歯を食いしばり、鬼気迫る勢いで右手を、そして左手を弾むボールへと伸ばす。
時にコップを転がし。
時に壁掛けを落とし。
時にカーテンを引き千切り。
時に兄弟にぶつか「 秋 三 っ 幸 四 郎 っ 黒 崎 ィィ !!」


―― 喧 嘩 す る な !!!!!


燦燦たる惨状の跡地の上、互いの髪に掴みかかった三名へと落ちる、本日二度目の雷。
若干綾部の身に着けているエプロンの裾がヨレているあたり、何故だろう彼の怒り具合を表しているようで少し、怖かった。
明らかに、怒鳴る衝動を堪えた時間があったのだろうその様子が目に浮かんでしまう。
いやしかし、気のせいかもしれない。
うん。
きっとそうだ。
気のせい。
そうしておこう。
そうじゃないと、明日は無い気がする。
だから、気のせいにしないと、いけないんだ。
それぞれ普段例を見ない程の速さで考え事への結論を出した三名は、各々納得の頷きを繰り返し、それから畳の上膝を着き手を付いて。


「「「 ごめんなさい 」」」


潔くも深く、反省を示したのである。

いやいや理由は簡単。



――― だってあやべん、今までで一番怖い目してたんだもんっっ!!!