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Blue

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KIDーーーーーーーー!!!!!!!!!!――――・・



・・・・誰?

それ・・俺のこと?



俺の名前・・そんなじゃ・・・・・



・・・・ねぇなんで泣いてるの?



泣かないで・・・






「・・・・・・・。」


窓からさしこむ朝日に眩暈がする。
朝はどうも苦手だ。
太陽がむしろ苦手なのかもしれない。

俺は昔から夜が好きだった。


階段を下りてリビングに向かう。

「なぁ母さん、遮光カー・・・テン・・・。」

え?


テーブルにはいつものように美味しそうな朝食。
だが、その横の置手紙には理解不能の内容。


『快斗へ

お父さんと旅行に出かけます。
しばらく一人で頑張ってね

           ママよりv』


「嘘だろ・・・」

昨日会っているし、
夕飯も一緒に食べたはずなのに、
そんな話は一言も聞いていない。

「・・・・・あー面倒くせぇなぁ。」

舌打ちをしながら、朝食に手を伸ばした。

それにしても、と、
最近よく見る夢を思い出す。


誰かが俺の前で泣いている。
俺の方に向かって『KID』と叫びながら・・・。
夢の中では顔をみているはずなのに、
目が覚めると僅かな輪郭がぼんやり思い出せる程度。

ただの夢だと忘れられればいいのだが、
こうも毎晩のように見てしまってはそうもいかない。
だからといって、解決法は無いから厄介だ。


「・・・KIDかぁ、」

KIDといえば・・・・・・

何かの本で見た昔の怪盗。
実在したのかさえ今では曖昧な存在。
だが、KIDの曰く付の宝石などは数多く存在している。

そしてKIDの事が書かれている本はとても面白い。
今でいうマジックのようなものを使うKIDの華麗な盗み。
実際に存在しなかったとしても憧れてしまう。

「あんな風に夜を飛び回ったら気持ちいいんだろうなぁ。」

ぼんやりとしていると、
静まり返った家の中に時計の音が鳴り響く。


「あ・・・・・・遅刻するっっっ!!??」



通学路を走りぬけ、視界の端には同じように走る者。
あいつは遅刻決定だな。
余裕で追い抜かしていくと学校が見えてくる。
カカトの潰れた上履きで走るのももう慣れっこだ。
チャイムの鳴る数秒前に席につく。

「・・・・はぁっ・・俺よくやった。」

先生が教室に入ってきて、
先ほど追い抜いてきた奴が到着したが、もちろん遅刻。
こっぴどく叱られていた。


窓からぼんやり外を眺める。


そんな俺の平凡な日常。



でも、このすぐ後、
平凡な日常が懐かしく思えるんだ。





『おかえり、KID』―――――-




誰?



作品名:Blue 作家名:おこた