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もし、夜天の主に幼馴染がいたら 1 二人の日常

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ここは日本のある地方都市、海鳴市。
その中にある中丘町。
そこのある家のある寝室で目覚まし時計がアラームを鳴らす。
ピピピピ、ピピピピ――――――

「う~ん・・・・」

そういいながら目覚まし時計のアラームを止め体を起こす一人の少女。
この家の主である「八神はやて」である。
はやては体を起こしたあと器用に体を動かして車椅子に腰掛ける。
彼女はある日から下半身に神経性麻痺を抱えている為、車椅子生活をしているのだった。

時刻は6時5分、はやては車椅子をこぎながらキッチンへと向かった。
それから朝食を作り始めて数分、キッチンからいい香りが漂い始めた頃。
2階から一人の少年が降りてきた。

「あ、おはよう刹那君」

「ああ、おはようはやて」

刹那と言われた少年は昔、はやての家の隣に住んでいた「伊吹刹那」である。
刹那が降りてきてから数分が経過した頃はやての朝食作りは終わり、
2人で食事を取り始めたのだ。

「ほな、いただきます」

「いただきます」

そう言って2人で朝食を取り始めた。
朝食の内容は至ってシンプルな和食だ。
白米にわかめと豆腐の味噌汁、出汁巻卵と鮭であった。
それを2人は軽い会話をしながら食べていた。

「今日は診察の日だったな」

「うん。診察が終わったら図書館に寄って本を借りて来るんよ」

刹那が今日の予定を聞き、はやてが診察の後の予定を言う。

「今日は始業式だけだからそんなに時間はかからないからな。図書館へは一緒に行けるか」

刹那とはやては今年から小学3年生になるのだが、
はやては脚が不自由な事を理由に学校には行っていなかった。
はやてはそれだけが理由ではないのだが・・・・
刹那も最初の頃は一緒に行こうと言っていたのだが、
はやてがそのことを理由に頑なに拒んだ為渋々一人で学校に通っている。

「ほんま!ありがとうな!」

「ああ。学校が終わったら病院まで迎えに行くよ」

はやては一緒に図書館に行けることを喜んだ。
そのころには食事も終わっており食器の片付けを始めていた。
刹那は食器の片付けまでが終わった後、自室に戻り学校へ行く為の準備をしていた。
刹那と本来はやても通う学校は私立聖祥大学付属小学校。
私立小学校ということもありスクールバスも出ている。
そして、制服に着替え終わりいつでも学校に行けるようになった刹那は、
少しだけはやての手伝いをしたあとに家を出た。

「行って来ます」

「行ってらっしゃい。気いつけてなー!」

「はやても、ね」

そう言って刹那は家を後にした。
はやては刹那を見送ったあと、洗濯物を干したりして、病院に行く時間まで本を読んでいた。