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GO NEXT! -最強魔道士達と最強戦士の珍道中膝栗毛!?

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1.新たなる旅立ち!! 新たなる期待!!


 ある少年は最後の戦いを終え、かつての仲間に別れを告げ、緑色の龍に跨り、旅をしていた。彼はその龍との約束を果たそうとしていたのだった。
 龍は彼を乗せてそのまま空を飛んでいた。

「神龍の背中、あったけぇなぁ…」

 彼はそのまま神龍の背中に自分の身体を捧げた。すると少年の身体に星の入った7種類の球"ドラゴンボール"が入っていった。最後の一球が入った時、少年の姿は消え、それと同時に神龍は消滅した。
 ドラゴンボールは7つ集めると、一つだけどんな願い事でも叶うという特性を持っていた。しかし、何度も人間が使ってきたことによって、負のエネルギーが生まれ、頼り続けてきた人類にその代償を与えるという、全宇宙の消滅の危機が訪れた。
 その少年達の活躍により、それは免れたものの、もう二度と起こらぬように自ら神龍はドラゴンボールを封印することにしたのだった。それは、彼が自ら償う人類の代わりとなるというのと一緒であった。















 これによって、少年は神龍と合体し、消滅した。
















 …はずだった…。

















 とある世界。ここは、中世ヨーロッパを基調とするような街並みが目立つ、先ほどの世界とは少し古典的であった。その上空に一つの光が現れ、そのまま真っ逆様に森の中へと落ちていった。

「がっ…!!! ぐぉっ…!!! でぇっ…!!!?」

 間抜けな音を漏らしながら、枝にぶつかりながら地面に激突した。さすがにも堪らなく、目を覚ました。といっても、枝にぶつかりまくった時点で既に目を覚ましていたとも言えるが。
 光の正体、その彼、何度も地球、いや全宇宙の危機を救った人物―孫悟空は頭を押さえながら起き上った。

「いってぇ〜〜〜……。前にもなかったっけこんなの?」

 デジャヴを感じ取った悟空であった。

「あれ…?」

 彼は自分の身体を見て、あることに気付いた。

「オラの身体が、元に戻ってる…」

 悟空の身体は、以前はピラフ一味の仕業によって子供の頃の姿に戻されていた。そのために超サイヤ人になったり、瞬間移動を使ったりすることが出来なくなっていた。彼の努力の成果によって取り戻し、すっかり慣れていたのだった。
 ところが何の断りもなく、子供にされる前の姿に戻されていたのだった。

「それに…、いってぇどこだここ…? さっきまで神龍と一緒にいたってぇのに…、おっかしいなぁ…」

 勿論、神龍の姿は森を見回してもどこにも見当たらない。悟空は腕を組みながら、首を捻って考え始めた。

「よくわかんねぇけど…、…ま、いっか!」

 しかし普段から細かく考えるのが面倒臭い悟空は、詮索するのをすぐにやめた。

「よいしょっと……。ふんっ!」

 悟空は立ち上がり、舞空術を利用して空に飛び立った。ちなみに激突した時の衝撃による痛みは、長年の武道家としての活動によって培ったために既にひいていた。







「助けてくれ〜〜〜〜〜!!!」
「ん?」

 悟空は誰かの悲鳴を聞き、その方向に向かっていった。




「おい、じいさん。大人しく金目の物を俺達によこしな」
「ひいぃぃぃぃぃ……! 命だけは御助けを…!!」

 盗賊の1人が剣を肩に乗せながら、男に迫ってくる。後ろに少しずつ足をすりながら、後ろの道から逃げようとするものの、そうはいかなかった。

「おーっと、ここは通さねぇぜ!! へっへっへっ!」

 仲間が回り込み、逃げ道を塞いでしまった。そしてだんだんと詰め寄ってくる。

「さあ大人しく金目の物をよこせ!! ひひひひひ!!」

 突然、リーダー格らしき1人の前に人影が現れた。悟空である。

「なんだオメェは…? 命が惜しければとっととどきな!」

 しかし、ピクリとも動かないままじっと睨んでいた。

「チッ、このやろう!!!」

 彼の行動にプチンと切れた盗賊の1人は剣を大きく振り上げ、振り下ろしてきた。それを見ている男は狼狽していた。
 しかし、悟空は何も変わらぬ様子で左手で受け止めた。

「な…、何…!?」
「…ふん!!」

 そして悟空はその剣の刃を手首を捻って半分に折った。折れた方の刃先はそのまま地面に落ちた。

「ひ…、ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

 それを見た盗賊の連中からはすっかり気迫がなくなっていた。それとは裏腹に恐怖が湧きあがっていた。それも当然だ。この世界にも悟空のような格闘家はたくさんいるものの、片手で剣を折られるのはとても珍しいことだった。

「お…、覚えてろ…!!!!」

 捨て台詞を吐き出し、目にもとまらぬ速さで退散していった。姿が見えなくなると、男の方を向いた。

「でぇじょうぶか、じいさん!!」

 盗賊の時とは逆に彼は笑顔を送っていた。自分の家族や仲間に見せた時と同じように。

「あ…、ありがとうございます、若いお方!!」
「"若い"って…、こう見えてもオラ、もう…60なんだけどな! ははっ!!」
「えっ…?」

 悟空は指で数えながらそう言った。彼は"サイヤ人"であり、戦闘種族のためか肉体の老化が非常に遅い。そのために外見はまだ青年期のままだった。
 男は驚いていたが、納得したかのようにすぐに落ち着き、こう訊いて来た。

「もしかして…、"魔道士"のお方では…?」
「"魔導師"…? まさか…!」

 悟空にとって魔導師と言えば、魔人ブウを蘇らせ、地球に恐怖を至らしめたバビディである。まだ生きているのかと思ったが、まだ気づいてはいなかったが、この世界の魔道士とあの世界の魔導師とは全く違うのである。

―でも待てよ…、ならなんで落ち着いてんだ…? それに、強い"気"が全く感じられねぇ…。

 彼は気を感じ取ることによって相手の強さを推測していた。バビディの時は強力な気を感じることが数え切れないほど経験したものの、この世界ではまったく感じられず、またどうやら男は魔導師を信用しているように見えた。
 悟空の頭の中ではすっかり混乱していた。

「わりぃけどオラ、魔道士についてよくわかんねぇんだ」
「そうですか…」
「でも、魔道士っていってもなんでこんなに落ちついてんだ? オラからしては悪いイメージしか浮かばねぇけど…」
「そんなことありません!!」
「うわっ…!」

 急に男の声が大きくなったので悟空はビビった。

「魔道士と言うのはいつも盗賊から守ってくれてるんです! 噂では、倒した盗賊団は数千にも上ると…」
「数千…。……す、数千!!?」
「はい。さらに、地形を変えたり、何箇所かの森や村を消し飛ばしたりするほどの力を持っているというのも、聞いたことがあります」

 聞いていくうちに悟空はすっかり胸が躍っていた。この世界でも、とても強い人がいると聞くと彼にとってはたまらないのだ。

「ひえぇぇぇ…!! す、すんげぇなぁ…、なにもんなんだそいつは…!?」
「はい、リナ=インバースと呼ばれる魔道士です」
「リナ=インバースかぁ…。…サンキューなじいさん!! そんじゃ!!」
「え!? ああっ…」

 悟空は期待を胸に秘めながら飛び立っていった。男はまだ言いたかったことがあったようだった。