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DQ4F

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第十二章「不思議な夢」



 一行はバトランドから洞窟を抜け、イムルにやってきた。
やはり街中おかしな夢の話で持ちきりであった。
どうやら、以前ライアンが助けたププルという子供がいる宿に泊まると、そのおかしな夢を見るようである。
宿に泊まるのは後にして、一行はまず街の人々の話を聞くことにした。
街にライアンの知り合いの戦士がいたので話し掛けてみる。
件の宿屋に泊まると、誰もが同じ夢を見るとのこと。
不思議なことが起きるものである。

 少し歩くと子供たちの学校があった。
とかく子供は落ち着きがないものである。
走り回って教師に追いかけられる子や、すぐ後ろを振り向く子など、もう一時もじっとしていない。
学校を覗いたライアンは、以前と変わらぬ子供たちを見て微笑んだ。
そのうち学校が終わったらしく、子供たちが一斉に出てきた。
その中にププルがいた。
ププルはライアンを覚えていたらしく、助けてくれたお礼を言い、さらに自分の家の宿屋で見られる変な夢の話をして帰って行った。
ライアンさんていろんな人を助けているんですねとソフィアが話し掛けると、大したことはしていませんよと謙遜した。
教室には教師がまだ残っている。
校長らしき人物が、子供さらい事件が解決したと思ったら今度は変な夢かと頭を抱えていた。

 さていよいよ一行は夢の内容を確かめるため宿屋に入っていった。
ベッドにもぐりこみながら、ソフィアはもし眠れなかったらどうしようと思ったが、それは余計な心配であった。
いつしかソフィアは眠りについていた。

 夢の中で、エルフの若い女性が塔の窓から顔を出している。
そこへ魔族のような男がやってきた。
男はおもむろに笛を吹くと、隠し階段が現れ塔の中に入って行った。
部屋の中で先ほどの男とエルフの女性が話をしている。
男の名前はピサロで、女性の名前はロザリーというらしい。
ピサロは人間を滅ぼす決心をしたことをロザリーに伝え去って行った。
ロザリーはピサロを止めようとするが、ピサロには伝わらない。
ロザリーはその想いを誰かに伝えようと祈りを捧げている。
誰かピサロ様を止めて、と。
夢の内容はそのようなものであった。

 翌朝馬車に戻り、夢の内容について一同で話をした。
話の内容からいって、ピサロはデスピサロであろう。
なぜピサロは人間を滅ぼそうとするのか。
ロザリーとは何者なのか、またピサロとはどういう関係なのか。
そもそもこれは信頼できる事なのか。
とりあえずデスピサロ打倒はパーティーの目的でもあるため、目的地に向かいながら夢の場所を探すことにした。
次の目的地はガーデンブルグである。
一行は海岸の船へ戻って行った。

 イムルを去る途中ソフィアは何回も後ろを振り返る。
なぜかソフィアには、ロザリーがシンシアに重なって見えた。
ソフィアは、ロザリーに会わなければ後悔するような予感がした。

作品名:DQ4F 作家名:malta