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第九章「サントハイム王の予言」
サランに着いたソフィアは、サントハイムの三人と街に入って行った。
四人はサントハイム城の人たちの行方の手掛かりを探した。
宿屋の二階に戦士がいたので話しかけてみると、彼は以前サントハイム付きの戦士であった。
彼の話によると、サントハイム王はある日地獄の帝王についての夢のお告げを城の者たちに伝えようとしたとのことである。
しかしその戦士は当日出かけてしまったため、内容まではわからないと話していた。
地獄の帝王……私が倒すべきもの……
ソフィアが考えながら歩いていると、学者風の男がいたので尋ねてみる。
なんとその昔、歴代のサントハイム王は未来を知ることができたという。
そのため今の王様が夢でお告げを知ることができても不思議ではないと。
お父様にそんな能力が……とアリーナがつぶやいた。
ブライやクリフトも初耳だったらしい。
さらに人をあたっていくと、昔、王様のしつけ係だったという老人に会った。
話を聞くと、王様がまだ子供だったある日、しきりに立札を立てるようせがまれたという。
ボクの娘が困っているから立てておくれよ、と。
それを聞いたアリーナは駆けだして行った。
アリーナ! 待って!
ソフィアが叫んだがアリーナは止まらない。
当てがあるわけではなく、やみくもに探しているようだ。
三人が追いついたとき、アリーナの前には立札があった。
立札にはこう書いてあった。
「お空のずっと上には天空のお城があって、竜の神様が住んでるんだって。
竜の神様はとても強くて、大昔地獄の帝王を闇に封じ込めたくらいなんだ。
天空のお城のことは、北の海のスタンシアラの人々が詳しいと思うよ」
四人はこの予言が、サントハイムの人々の失踪と関係することなのかわからなかった。
しかし地獄の帝王の名前が出ている以上、無視するわけにもいかない。
四人は馬車に戻りみんなと相談し、天空城と竜の神様を調べるため、スタンシアラに向かうことにした。
スタンシアラに向かう船で、ソフィアは甲板に出てぼんやりと考えていた。
私の本当のお母さんは天女なのかもしれない。
だとしたら竜の神様と一緒に天空城に住んでいるのだろうか。
ソフィアが考えをめぐらしていると、クリフトがやってきた。
どうやらソフィアが落ち込んでいると思い、
元気付けに来たようである。
クリフトは神の教えを基に、いろいろな話をしてくれた。
さすがは神官である。
クリフトの顔を見ながら、お兄さんってこんな感じなのかなと思うソフィア。
でもクリフトさんが好きなのはアリーナね、だってバレバレだもんと口を押さえクスクス笑ってしまった。
ソフィアが突然笑い出したので、クリフトは怪訝な顔をしている。
クリフトさん、寒くなっちゃった、中へ入りましょと、クリフトを引っ張っていく。
クリフトはまだ首をひねっていた。