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雪割草

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「だから、俺の家で飼う。…近いうち、一緒に暮らすんだから、俺とお前の犬だ。」

「え?いいのか?」

「…俺も、犬飼いたかったから。」

「ありがとう!助三郎!」

「は?」

格之進が近づいてきたと思った次の瞬間、気付くと、彼に抱きしめられていた。

「ぐぇ…。」

力が、強すぎる…。
想像通り、全然柔らかくない…。
早苗とは比べ物にならないくらい逞しい…。
男だ…。

「助三郎。うれしい…。」

おい、もっと締め付ける気か?
苦しい…。

「離してくれ…。死ぬ…。」

「なんで?俺が嫌いか?」

悲しそうな声で訴えられた。
余計力が強くなった気がした。

「好きだ、好きだが…苦しい…。つぶれる…。」

ここで早苗はやっと気づいたようだった。

「あ…。すまん!大丈夫か?」

やっと離してくれた。

「はぁ、ふぅ。…肋が折れるかと思った。力ほんと強いなぁ。」

「そんなことない!」

「良いじゃないか。男は強い方がいい!モテるからな。」

「俺は、許婚のお前にさえ好かれればいい!」

「げ…。」

「なんだ?げって?」

「何でもない。」

中身が早苗と気づくまでは、硬派で真面目だが、爽やかな印象を格之進に抱いていた。
なので、女の子の早苗が言うことを男のままで言うと、ものすごく違和感を感じる。

女の子の姿だったらかわいいが、図体がデカい男だ。
いくら格之進が美男でも、正直目に余るものがある。


本人には言えないが、抱きつかれるのも、ちょっと抵抗がある。
なぜか、あまり人に触られたくない。
先輩に肩をバンバン叩かれ、かつを入れれらるのでさえ、抵抗がある。
この性格のせいで、なかなか早苗を抱きしめてやれなかった。
やっと女の子は大丈夫になった。
早く男の格さんにも慣れないと。

「とにかく、名前考えとけ。お前の好きにしていいぞ。だがな、雄の名前にしろよ。」
そういうと助三郎は風呂へと去って行った。


名前か…。
そういえば、お梅ちゃんが別れ際に言ってた。
あれにしよう。



次の日の朝、一行は出立した。

「結局、この黒いのはついてくるんですか?」

「いいじゃない。かわいいから。早苗、この仔の名前何にしたの?」

「クロ。」

「普通な名前ね。」

「いいだろ?真っ黒でどこに目があるのかパッと見で分からないのがかわいいだろ?」

「は?それ、可愛い条件か?」

「あぁ。お前はかわいいよな?クロ。」

「ワン!」

嬉しそうに尻尾を振って一声ないた。


作品名:雪割草 作家名:喜世