色白の背が拒絶するように向いている。眠りから覚めたときの浮遊感と残像を引きずりながら体を起こしてクロスを髪につける。冷えた金属が痛いほど訴え果てしない白の海を見つめる。なぜると指が引っ掛かった。どうせもとには戻らない皺だらけの布から手をはなして白く小さな背に触れる。反応はない。金色の眩しい光がカーテン越しでも瞳を焼く。見ていられず逸らした。今更何か疑問を抱くことは無意味だ。寝ぼけた頭で考えるのも億劫。布団をずらしてわけてやる。完全に覆われみえなくなったそこに、浮かんでいた言葉を読み取ることは出来なかった。顔を見られるのは嫌がるだろうからやめた。てのひらに、やわらかな骨の感触が残っている。いずれ無くなるだろうか、それとも残ってしまうのだろうか。目を少しのあいだ閉じると光がまたたいた。もう一度布団の中に潜り込み、白い背を見つめて昨日どこかに消えたはずの枕に顔を埋める。
眩しい光も朝もシーツも枕も布団もみんな嫌いだ。