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幻の月は空に輝く4・修行の章・【フラグは回収される為にある】

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 距離あるし。コンパス短いし。沢山手足を動かせばどうしてもかったるくなってくる。そういえば庵に篭って少し睡眠時間を削っていたっけ。ご飯は両親と一緒に食べるから、三食はきっちりだけど。まぁ、そんな感じで今日は早めにバテ気味なんだと思うんだけどねー。

「大丈夫か?」
 私の表情に疲れが出ていたのか、イタチが足を止めて私の顔を覗き込むように問いかけてきてくれた。
「大丈夫」
 疲れたけど歩けない程じゃないし。
 けれど先が見えないっていうのは体力的にキツイから、後どれぐらいかだけは聞いておこう。そうすれば多少なりとも楽になると思うしね。
「イタチさん。後、どれぐらい?」
 歩けば着くのかな?
「もうじき……後5分程か?」
 曖昧に答えようとしたイタチに、はっきり答えてほしいなぁ、という視線を向けてしまう。この疲労で曖昧な答えは堪えるんだよね。
 けれど語尾にハテナマークをつけられても私もわからないと肩を竦めてみる。
「俺に聞かれても」
「それもそうだな」
 ここでイタチの天然疑惑を持ち上げてもいいだろうか?
 それもそうだなと真顔で答えたイタチに、私はそんな疑惑の眼差しを向ける。こうしてみると、幾ら大人びているといってもまだ子供だ。
 イタチの子供らしい一面を見れてホッとしていたら、まだ離れているけどうちはマークが見えた気がした。
 あぁ、あの一角がうちはの居住スペースなんだ。広いなぁ。流石木の葉の名門うちは一族。

「ここがうちはの居住区域だ」
「そうみたいですね」
 大丈夫だよ。この距離だと色々と見えてるし、皆うちはの家紋入りの服着てるし。しかし自己主張の激しい一族だなぁ。これ見よがしな家紋って。
 日向ってどうだったっけ。今度観察に行こうかな。父さんは取引があるし納品にも行くから、それについていけば問題なく観察出来るだろうし。
 思考が一瞬今度の日向一族観察に向きかけたけど、イタチの頭ぽん+撫で撫でに強制的に現実に引き戻される。
「この中に入らなきゃ駄目ですか?」
 しかし空気が良くない。子供に向けてなんだこのよそ者は?と言わんばかりの目線を向ける、大人気ない奴等はなんだ。
 写輪眼がそんなに偉いのか。木の葉最強は今の所日向の看板だぞ。うちはの瞳術を極めちゃえばどっちが最強か分からないんだけどね。
 感じる不躾な視線に、思わず私が本音を漏らしながらイタチを見上げれば。
「問題ない」
 迷いのない返事が返ってきた。
 いや、まぁ木の葉の一員だしね。問題はないと思うんだよ。思うんだけど何となくイヤって言うかね。
「ラン。行くぞ」
 渋る私の手を取り、イタチはどんどんと突き進んでいく。
 なんだろうね。このお兄ちゃんと手を繋いで楽しい散歩的な構図は。
 楽しくはないんだけど、見た目的にはひょっとしたら微笑ましいのかも。私が微妙に現実から目を逸らしている隙に、イタチは私の手が痛まないように引っ張りながらも目的地まで強制的に連れて行く。
 あぁ、うん。気にせずに我が道を行く所はホント原作サスケの兄って感じだよね。