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藤枝 真緒
藤枝 真緒
novelistID. 32347
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イヤホン

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彼は音楽を聴くのが大好き。
私の部屋で寛ぐ時もTVはつけずに何かの曲を聴いている。
その耳にはいつもイヤホン。
たぶん彼は、耳に蓋をして直接音が流れてくるのが好きで、
スピーカーもヘッドホンもイヤホンには勝てないと思ってる。

「ねぇ?何聴いてるの?」

あなたの好きなその曲は何?
ポップ?ジャズ?ボサノバ?
ロックとかラップとか?
もしかしてクラシック?
気になる…
私も知ってるかもしれないじゃない?
好きになるかもしれないじゃない?

「聴いてみる?」

片方のイヤホンを差し出されたので、耳にはめる。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
無音。

「ねぇ?」

頭の外まではてなが表示されたまま彼を見上げる。

「ん?」
「何も聴こえない…?」

「聴こえてるよ?」
「???」

「おまえの声。」

一瞬なんのことかわからなかったけど、
理解できた時、私、顔が真っ赤になってしまった。
いつまで経っても音楽は流れてこない。

「いつも、こうなの?」
「一緒にいる時は耳にはめてるだけ。」

そう言って、見せてくれたMDプレイヤーには中身がない。

「…なんで?」
「音楽聴いてるフリしておまえの声聴いてるから。」

べつにフリなんてしなくても…
なにかこだわりでもあるとか?

「フリでもしてないと…面と向かってはまだ、照れる。」

付き合って3ヶ月…
まさか、こんなカミングアウトあるなんて予想もできず…
お互い茹蛸よりも真っ赤になってしまった。
作品名:イヤホン 作家名:藤枝 真緒