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二次元騎士
二次元騎士
novelistID. 40818
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ヤンデレVSヤンデレ(妹と幼馴染)

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俺は今、信じられないものを見ている。
俺が物心ついたときからしっている2人の女の子が対峙しているのだ。
しかも、それぞれ手には、凶器をもっている。
ひとりは包丁を、もう一人はトンカチと五寸釘をもっているのだ。
今にも2人は殺し合いをはじめるような感じでにらみ合っていた。
「2人ともやめるんだ」
俺はできるかぎりの大声で叫んだ。
しかし2人はまるで聞く耳持たずで俺の言葉を無視した。
本当は、二人の間に入って止めたかった。
しかし俺はいま手錠と鎖に繋がれて身動きができなかった。
「お兄ちゃん、ちょっと窮屈かもしれないけど我慢してね。あいつを殺したらすぐに開放してあげるから」
渚は可愛らしく、それゆえ恐ろしい微笑みを俺に向け
「あいつを、釘付けにしたらすぐにご飯つくってあげるからちょっと待ってて」
と、綾瀬は安心できるが、それゆえ恐ろしい自信のある顔をした。


今日は渚がなかなか帰って来ず、学校まで行ったのだ。
そして裏庭に行ってみたら、渚と綾瀬がいたんだ。
俺は2人に声をかけようと近づいたら2人して俺を睨みつけたんだ。
俺はビビッて逃げようとした。
だけど、綾瀬にまわりこまれ俺がたじろいだら後ろから渚が俺を拘束したんだ。
「どうして逃げようとするの?」
渚は虚ろな目で俺にきいてきた。
「だってさっきのお前らの目、明らかにおかしかったんだよ!今にも誰かを殺すような目で………」
「あっ、それは、間違っていないよ」
「?」 
綾瀬がいつもの感じで信じられないことを言った。
「だって、今からあたし達殺し合いするんだもの」
「はっ?な、何いってんだよ!?変なこと言うなよ!……な、渚もそう思うよな?」
俺は助けを乞うような感じで言ったが、渚は微笑み
「ううん、ホントだよ。私今から綾瀬さんを殺すんだ」
まるで買い物に行くような軽い感じでとんでもないことを言ったのだった。


「どうしてだよ?どうしてこんなことするんだよ!?
 2人ともあんなに仲が良かったのに、どうして殺しあうんだよ!?」
 
 『だって、(渚;私 綾瀬;あたし)は、(渚;お兄ちゃん 綾瀬;あなた)のことが好きなんだもの!!』

2人は声を揃えて言った。
それでも俺は、納得できなかった。
2人はそれこそ姉妹のように遊んだりしていたんだ。俺が2人の仲に嫉妬してしまうくらいに仲が良かったんだ。

俺は2人にそのことを言ったら
「だって、お兄ちゃん綾瀬さんがいなくなったら悲しいでしょ?それにお兄ちゃん、私と綾瀬さんと仲良くしてたらとても嬉しそうだったから頑張って仲良くしてたんだよ」
渚はまるで褒めてちょうだいという感じで俺に頬擦りしてきた。
それを聞いていた綾瀬は
「頑張って仲良くしたぁ?それはこっちのセリフよ!なんであたしが媚びることしか知らないウザったいあんたと一緒にいたと思ってんの?それはね、あの人がそれを望んでいたからよ!」
それを聞いた渚は少し驚いたように言った
「ふ~ん、それはご苦労様。綾瀬さん私と無理して一緒にいたんだぁ」
「あ、あたりまえでしょ!あんたと一緒にいるときはホントに辛かったわよ!」
「私は全然辛くなかったよ」
「えっ?」
綾瀬は少し戸惑っていた。
相手も同じ気持ちだと思っていたのに、それとは反対のことを言われたのだ。
おそらく、少し良心が痛んだのだろう。
しかし渚は
「お兄ちゃんのことを思っていたら全然辛くなかったし、むしろ楽しかったよ。なのに綾瀬さんはお兄ちゃんの為にやっていることを辛いと思ったり、無理してやってたんだぁ。へぇ~、やっぱり綾瀬さんのお兄ちゃんを思う気持ちってその程度だったんだぁ」
「このアマああぁぁぁぁぁぁ」
渚は綾瀬を嘲笑するように言い、綾瀬は激昂したのだった。



私がお兄ちゃんを好きになったのっていつだったけ?
いや、これといってキッカケは無かったはず。
気が付いたらお兄ちゃんのことが好きになっていたんだ。
お兄ちゃんは優しくて、カッコ良くていつも私のそばにいてくれた。
だから私もお兄ちゃんの為に色々頑張ったんだ。
お料理も、お洗濯も、お勉強だって頑張った。
私はいつもお兄ちゃんと二人っきりになりたかった。
だけど、家にはお母さんがいた……。
私が本格的にイライラし始めて、お母さんに消えてもらおうと思った矢先、お父さんの海外転勤の話がきた。
お母さんは私に言った。
「渚がいるなら安心ね。お盆と年末年始は必ず帰ってくるから2人でお留守番お願いね」
私の努力が実った瞬間だった。
それから一ヶ月後お母さん達はアメリカに行った。
(これから毎日学校の時以外お兄ちゃんと二人っきりなんだ)
そう思っていた……。
だけど現実はそんなに甘くなかった。
あの女……そう

河本綾瀬ガ、イタンダ………………………

あの女、私からお兄ちゃんをいつも連れ去って行く。
いつのまにか、お兄ちゃんの近くにいる。
一体いつからいたかも覚えていない。
だけど、お兄ちゃんはあの女のことは嫌いじゃないみたいだった。
むしろ、どちらかというと、ぎりぎりのラインで、本当にギリッギリのラインで好きな部類に入ってたんだとおもう。
私はお兄ちゃんの悲しむ顔を見たくないからあの女を邪険に扱わなかった。
むしろ仲良くしようと頑張った。
そうすれば、お兄ちゃんも喜んでくれると思ったんだ。

だけど我慢の限界がきてしまった。

昨日は私が勝手にそうしている記念日だった。
それは、私が初めてお兄ちゃんにご飯をつくってあげた日だった。
毎年この日は全部お兄ちゃんの大好物で埋め尽くしていたんだ。
だけど昨日、お兄ちゃんは私のつくった晩御飯を食べなかった。
理由を聞いたら綾瀬さんのつくったご飯を食べたんだって……。
私は一発、お兄ちゃんの頬をたたいてしまった。
たたいた後、私は我に返りハッとした。
お兄ちゃんは何も悪くないのにたたいちゃった…………。
お兄ちゃんに八つ当たりをしてしまった。
私は泣いて謝った。
お兄ちゃんが私のことを許してくれて、それだけでなく泣いてる私を慰めてくれた。
しばらくしたら落ち着いてお兄ちゃんにお礼をして部屋に戻ったら、私の心は怒りと憎しみに満ちていた。

アノオンナガユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ……………………
そうだ!消しちゃおう♪

そして今日放課後、綾瀬さんを呼び出した。
私は今日本当は綾瀬さんを消したら、お兄ちゃんにもう一度謝って
お兄ちゃんに私の全てを捧げようと思った。

だけど、お兄ちゃんに見つかってしまった…………………………。