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とある転生者の話(第二部)

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第十五話 和尚コウセイvsアユム


side:シルバー

わざわざオレを庇って戦う事になったアユム。
あいつは強い。
負けることはないだろう。
「相棒、ちょっと頼んだよ!」
アユムの初手は相棒のハッサム。
あいつは手持ちの中でも一番の強さを誇るポケモンだ。
「ほぅ、よぅ育っておる。そしてなついているようじゃのぉ。
しかしお嬢ちゃんには分の悪い試合じゃ」
ジジイはそう言ってボールを投げた。
出てきたのはホーホー。
タイプとしては確かに分が悪いが、レベルは確実にハッサムのが上だ。
「ホーホーの体当たりでご退場願おうかのぉ」
「高速で移動して避けながら剣の舞」
素早く避けつつ舞うハッサム。
ホーホーは当てれないようだ。
攻撃を避けつつ舞うハッサムと、一撃でも当てたいホーホー。
ハッサムが押されてる…のか?
それはジジイも思ったようだ。
「あれほどのことを言いはなって逃げ惑うとはのぉ」
「和尚さんはただ逃げているだけと見るんですね」
「違うと申すのか?」
「……はぁ、これだから頭の硬い奴らは…」
避けてるだけではないだと!?
剣の舞は確かに攻撃力が上がる技だったはず。
だが攻撃しなければ無意味ではないか!
そんなオレやジジイの顔を見てアユムはため息をついた。
そして何かを呟いた。
…「ホント補助技使わない脳筋ばかり」?
最初の方が聞き取れなかったな…。

side:アユム

(この世界のトレーナーってホント補助技使わない脳筋ばかりだよなぁ…)
ボクは呆れていた。
ボクがしている事、それが何だかわかってないと言うなら、そいつはポケモンの可能性を八割以上無駄にしているって事になる。
それで勝ち進めるのは某アニメの脳筋主人公のみだっての。
それを…シルバーにも教えてやろうか。

ボクのやる事は、原作世界を崩壊させるだろう。
しかし、ボクは今この世界で生きている。
なら…信じた道を進んでもいいだろう?
神様…ごめん、ボクもやはり前の奴らと一緒みたいだ…

side:シルバー

アユムがオレを見て言った。
「シルバー、強くなりたいんだよな?」
な、なんだいきなり…
「それなら、ボクの戦い方をよく見ろ、戦略を盗め、そして物にしてみろ!」
「な、何を言って…」
「じーさん、あんたが悟りを開けてないお陰で舞台が整った!」
アユムは不敵な笑みを浮かべて言う。
「ハッサム!バトンタッチ!!」
その言葉と同時にハッサムはボールに舞い戻る。
そして、アユムはもう一つのボールを投げ、叫んだ。

「イッツショータイム!!出番だよ!お嬢!!」