マッサージ(SSL)
パジャマ姿の総司が声をかけてきた。両親が旅行に行って留守なので、うちに泊まりにきたのだ。
先に風呂に入ってもらって、俺は自分の部屋で次回の委員会の資料作成をしていた。
「すまんが、今日中にこれを終わらせてしまいたい。
そうでないと落ち着いて週末を迎えられんからな」
「えー、そんなの、一くんなら直前でも大丈夫だよ。
ていうか、一くんはそんなに真面目で肩凝らない?
マッサージしてあげようか」
総司が椅子に座っている俺の肩を揉み始めた。
俺よりも長身で力も強い総司。
「総司、ちょ、ちょっと痛いぞ」
「一くんが肩に力入りすぎてるんだよ。もっと力抜いて」
「そう言われても、そんなに強く揉まれては逆に構えてしまうだろう」
「えー、しょうがないなあ。じゃあ、ちょっとこっちまで来てよ」
総司がベッドの下に敷いた布団、俺が寝るつもりだった場所に胡座をかいて俺を呼ぶ。
「じゃあ、痛くないマッサージしてあげる。僕の足のとこに頭乗せて、寝っ転がって」
「・・・こ、こうか?」
「そうそう」
総司の足下に仰向けになると、まだ髪の濡れている総司が覗き込んできた。
風呂上がりのボディーシャンプーの匂いが鼻をくすぐる。
にやりと笑うので、ちょっと警戒したが、やはり間もなく総司は覆いかぶさってきた。
「んっ・・・ふぅ・・・」
啄むような柔らかいキスを何度もされて、俺の身体は已む無く弛緩してしまう。
「ちょっ・・・そうじ、やめ、んん・・・」
「ほらねー、これで力抜けるでしょ?」
そう云いながら総司が首や肩を揉むと、確かに先ほどよりは痛みを感じない。
しかし総司は俺が抵抗できなくなるのをいいことに、俺の胸元にまで手を伸ばしてきた。
指先で服の上から先端をなぞってくる。
「やっ・・・そこはちが・・・」
「んー?でも気持ちいいでしょ?」
「マッ、サージじゃ、なかっ・・・」
その間にも総司はキスを止めない。
先端が敏感にも突起して、俺は総司のされるがままになっていた。
開かれた口から舌先が侵入してくる。
「髪、乾かせ・・・風邪ひく、ぞ・・・」
「一くんがあたためてくれない?それとも、あとで一緒に入る?お風呂」
マッサージはただの口実だったのか・・・と思ったがその時は既に遅かった。
作品名:マッサージ(SSL) 作家名:井戸ノくらぽー