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仮面ライダーW~Another Story~風都地下都市編

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第1章―もう一つの切り札―


第1話 もう一つのJ/地下都市



風都地下都市―――


黒の学ランを着た青年が息を切らして走っていた。時刻は朝の8時35分、遅刻だ。
「やっべ、始業式間に合わねぇ」
走る青年『最城流星』は風神高校に通う高校2年生。時計を何度も見て流星は走った。新学期早々遅刻か…と思いながら学校に向かっていた。
「あぶねっ!」
流星は出勤途中の男と勢いよくぶつかった。男はそのまま倒れ、荷物をまき散らした。
「すいません!急いでるんで…」
男は即座に立ち上がって、流星の方を見た。
「ぶつかっといてそれだけか?アァ?調子乗んなよ小僧…」
男は懐からUSBメモリらしきものを取り出した。流星には見覚えのあるものだった。
「ガイアメモリ…」
「知っているのか?ならどうなるかよくわかるだろ?」
『エクストラマグマ!!』
男はネクタイを緩めて、首の根元にメモリを挿した。男は異形の姿へと変わった。
「はっはっはー!小僧、オレとぶつかったことに後悔するんだな!」
「マグマドーパントか…、ほっとけないしなー、しゃーねー…やるか」
流星はバッグの中からロストドライバーと呼ばれるものを取り出して腰に装着し、学ランの内ポケットから黒いガイアメモリを取り出した。
「オレとぶつかったことに後悔するのは、お前の方だ!!」
『エクストラジョーカー!!』
流星はメモリをドライバーのスロットに挿した。
「変身!!」
スロットを展開し、流星は黒い装甲に包まれた。
「お前は、まさか!!
「オレの名は…仮面ライダーエクストラジョーカー…、」
エクストラジョーカーはドーパントに向かって走った。
「だっ!!」
そのままドーパントを殴り飛ばした。
「ぐわっ!!」
ドーパントは吹っ飛び、壁にめり込んだ。エクストラジョーカーは緑色のメモリを出した。
「時間無いから、さっさと終わらせるわ」
『サイクロン!!』
サイクロンメモリをマキシマムスロットに挿した。
『サイクロン!マキシマムドライブ!!』
エクストラジョーカーの周りに風が巻き起こり、壁にめり込んだドーパントに向かって走り出した。
「や、やめろ…!!」
「行くぜ!ライダートルネード!!!」
エクストラジョーカーは助走をつけた状態で回転キックを放った。
「ぐわあああああああ!!」
見事に命中し、ドーパントは爆発した。爆発の後男が倒れ近くにはばらばらになったメモリが落ちていた。流星は変身を解いた。
「オレが仮面ライダーだったことを後悔するんだな」
流星は男を倒れたまま放置し、学校に向かった。

「仮面ライダーか…面白い」
倒れている男の近くに体格のいい黒髪の若い男が現れた。男の手には銀色のメダルがあった。
「琉兵衛…お前が残したものはどうやらオレを何十年ぶりに踊らせてくれそうだ。」
男は走る流星を見ながら手にある銀色のメダルを握りつぶした。