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ゆち@更新稀
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【ノマカプAPH】指先で送る【菊梅】

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いつの間にか、朝が来ていた。
カーテンの隙間から覗く光が、顔に降りかかるのを、うっすらと開けた眸でそれを確認する。

眩し、

手探りでベッドの脇に置いた携帯電話を取る。
ぴ、ぴ、ぴ。小鳥の囀り、電子音――「受信メールは、ありません」
ひとつ、溜息をついてまた枕に顔を埋める。

お腹空いた、

ぴ、ぴ、ぴ。ぴ。

ぱたんと携帯を閉じて、もぞもぞと毛布に包まり直す。
春ももうすぐ、でも、まだ冬は帰らないらしい。足の指先がきぃんと冷たい。

ヴー、ヴー、ヴー。
てのひらで震えた携帯電話に、心も一緒に揺さぶられた気がした。
ぴぴぴぴ。ぴ。
それから携帯電話をベッドに放りなげて、階段を駆け下りて洗面台へ向かった。



――「朝からずっと待ってます」

――「朝から会えば、待たなくてもいいと思います」