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必殺仕事人 in ヴォルケンリッター 第15話

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 仕事が始まった。
 あの雑居ビルに忍び込むシャマル、しかしそこは彼のテリトリーだった。
シャマルは忍び込んだ時点で彼に補足されていたのだ。
入り口のドアがいきなり閉まり施錠されてしまう。
どこから見ているのだろうか?こちらに向かって話しかけてくる。
「ご機嫌ようシャマル先生、お久しぶりですねぇ」
「どこ?あなたは誰?」
「イヤだなぁ、忘れたんですか?あなたに殺されたクロフォードですよ」
「クロフォードってまさか、あなたは死んだはずよ」
「生きていたんですよ、心臓だけになってね?
今度はあなたに、心臓だけになって貰いましょうか?」
(うっ、この感覚は……)
 その場を飛び退くと体に取り憑いたリンクを断ち切る。
(危なかったわ、心臓を抜かれる所だった)
 攻撃は壁の向こうからだった。

 一方ザフィーラはビルの中に入れないで居た。
ビル自体が結界になっていたのだ。
魔法戦になれば、攻撃力の乏しいシャマルは勝てる見込みがほとんど無い。
この千年ずっとパートナーを組んで来た仲だからこそよく分かる。
こういう時は自分が居なければシャマルがやられてしまう。
 だが、殴ろうが蹴ろうが結界はびくともしない。
念話さえ通らない。
 いっそうの事ビルごと破壊すれば結界は壊れるかも知れないが、仲の人々がどうなるか解らない。
その時、マンホールの蓋が目に入った。

 一方、ビルの中ではシャマルが追いつめられていた。
壁の向こうから旅の鏡で内蔵を狙ってくるのだ。
大した攻撃魔法を持っていないシャマルにとって逃げるだけが精一杯だった。
 だが、彼女とて逃げているだけではなかった。
身を翻す度指から金色の糸が少しずつ紡ぎ出されていた。
糸はゆっくりと床を這い、倒すべき相手を探していたのだ。

 流石に相手の結界の中である。
派手な動きは相手に簡単に察知されてしまう。
そして何よりも幸いしたのは、ペンデュラムがもの凄く小さかった事だろう。
 シャマルは考えていた、何故直接襲って来ないのか?
相手の攻撃をかわしながら考えた末の結論は、相手がペンデュラムを警戒している事、そしてこちらの攻撃をかわしきる体力がないという事だった。
 とにかく遮蔽物を多くして簡単には内蔵を狙わせない。
今はこちらから旅の鏡は使えないしなんの攻撃も出来ない。
戦況は絶望的だった。
 だが、とうとう隣の部屋への入り口を見つけた。
ペンデュラムはもそもそとドアの下の隙間をくぐった。
彼を見つけるとそっと彼の後ろに這っていく、その直後だった。
 とうとうシャマルが、捕まった。
「さあ、これで終わりにしてあげます」
「終わるのはあなたの方よ」
 次の瞬間、彼は雁字搦めに縛り上げられていた。
シャマルは一瞬速くペンデュラムを発動させていた。
それまで動くのに必要なごく僅かの魔力以外注いでいなかったペンデュラムに一気に魔力を注いだのだった。
 ドアを開けてシャマルが入ってくる。
「さあ覚悟なさい」
 いつの間にかペンデュラムの片方が彼女の手元に戻っていた。
 ビスッッ!
 ペンデュラムが彼の頭を打ち抜いていた。
更にもう一発、心臓を打ち抜く、これで完全に死んだと確信した。
 全てが終わった時、ザフィーラが地下室から上がってきた。
下水管をぶち抜いて地下室から侵入してきたらしい。
シャマルの無事を確認すると何も言わずに帰っていった。

 これで本当にクロフォードは死んだのだろうか?
それは誰にも判らない、もしかしたら彼の臓器を移植された他の人間が第3第4のクロフォードとして甦るかも知れない。
彼は一体何の為に甦ってきたのか?今となっては誰にも判らない。




第15話 完