日常
カントク兼マネージャーの相田リコの考えるメニューは、一言で言うと、「地獄」に値する。
体力のない部員(おもに黒子)は、毎回倒れる始末だ。
「よし、今日はもう終わり!!」
「「「「「よっしゃー!!」」」」」
部員たちは一斉に話し始める。黒子は、なんとか倒れずに立っている。だが、もうフラフラだった。
それは、PGとして活躍している彼も同じだった。
伊月は、その場にどっと座り込んだ。
「今日も厳しすぎだったなー。もうフラフラだ」
「伊月ーだいじょーぶ??」
「大丈夫、大丈夫」
話しかけてきたコガに対して、苦笑いを浮かべながら返事をした。
コガもかなり疲れているようで、いつもの調子ではあるが、顔には疲労のいろが浮かんでいる。
「毎日これってキツイなぁ~」
「仕方ないよ」
二人は部室へ向かった。
二人は入ると、既にたくさんの部員たちが着替えていた。
「お先に失礼します」
そして、次々帰っていく。さっきまで話していたコガも、水戸部と一緒に帰っていった。
部室には、伊月一人になった。しかし、いづきの待ち人はいくら待てども来ない。
「・・・・・遅いんだよ、バカ日向」
「何、本人のいないところで悪口言ってんだよ」
伊月が声のした方へ顔を向けると、彼が待っていた人物が青筋をたてながらそこにいた。
「別に、本当のこと言っただけだし?」
「はいはい。・・・てか、まだお前着替えてないのかよ」
「あー・・・・忘れてた」
「お前は・・・」
日向が呆れ気味で着替え始める。それをみて伊月をTシャツを脱いだ。
二人が学校から出ると、涼しい風が吹いてきた。
「ひゅーがっ!!」
「おわっ!・・・危ねーだろ!」
「・・・そんな怒らなくてもいいだろ・・・」
涙目気味の上目遣いで見られると、日向は言葉を詰まらせた。
これをやっている本人――伊月は無自覚でやっているから怖い。
「(全く、無自覚ってやつは・・・)」
「日向??」
「・・・・・・俊、好きだ」
「っ!!!!・・・ずるいっての。こんなときだけ・///」
伊月は顔を真っ赤にして、視線を逸らした。その行動が可愛く思えて仕方のない日向が、道だということを気にせず伊月を抱きしめた。
伊月も、それに応えるように、ひゅうがの背中に腕をまわした。
「伊月、好きだ」
「・・・・・・・・・・わかってる//////」
END