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コードギアス―十三番目の円卓騎士―

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<章=PROLOGUE 1【十三番目の少年】>


 首都ペンドラゴンにある仕官学校に入学したのは確か、3年ほど前だった。
 今日はこの学校の中でも取って置きのイベントがある。一年に一回行われる全校生徒総出で行われるナイトメアフレーム同士の模擬戦だ。トーナメント形式で優勝者を争う。
 皇帝陛下も見に来るほどのものらしく、実力者にはラウンズ入りもあると言われている。全生徒がでる個人戦と、親しいもの同士が仲間を集めて3on3の勝負をする団体戦がある。簡単に言えば、沢山の野郎が集まって、ナイトメアで取っ組み合いして、一番強いやつを決める。なんて暑苦しいんだ。それに、外部から沢山の人が見に来るということもあって、野郎どもは熱くなっている。大方、外部から実に来た女の子にいいところを見せたいんだろう。

「なに、考え込んでるんだレオン?」

「いや、特に何も考えてはいねえよ」

「なあ、あの子達に声かけてみない?」

「ジノは見境内から誰でもいいんじゃないのか」

「そんなことはない。これでも選んでいるさ。そう言う事で、ちょっと入ってくる」

 ルームメイトであり、親友ともいえるジノ・ヴァインベルグも外部から来た女の子をみて目を輝かせている。だが、ジノは他の野郎どもとは違い、いいところを見せようとナイトメアの操縦に懸命になるのではなく、直接女の子を口説きにいく。まあ、ジノの容姿と人懐っこさがあればそれも簡単なんだろうと思いながら、目の前にいる犬みたいなジノの首根っこを捕まえて止めてやる。

「何するんだよレオン!」

「良いから来い、そろそろ時間だ」

 ジノの首根っこを摑まえたまま、ジノが声かけた女の子たちに謝罪をして、ジノを引きずりながらその場を離れる。

「えっ……もうそんな時間なのか?」

「ああ」

 3on3での模擬戦の時間。開始時間まで残りは15分。本来なら30分前にはすでにスタンバイしていないといけないはずなのだが、ジノとレオンには、そんな余裕はなかった。
 三人目のメンバーが何故か今日の明け方電話で来れないことがわかり、そこから三人目を探さないといけない状況に陥ってしまったのだ。

「レオン、三人目どうする?」

「最悪二対三でいいだろ、ジノが強いんだし」

 ジノの実力は士官学校全体で見ても段違いに強かった。まさに桁が違うと言うやつだ。正直、綺麗に相手を倒すその技量はサザーランドの性能を限界以上に引き出していると言っても過言じゃないほどだ。

「そうは言うが、レオンだって相当じゃないか」

「何言ってやがる、万年最下位の俺が強いわけがねえだろ」

「シミュレーターの最強難易度にに残された謎のSSランク……」

「ああ、あれは結構話題になってたな」

 二週間ほど前の事だ。学校のシミュレータールームで今は亡くなられた王妃、閃光のマリアンヌのデータを基にした最強難易度のシミュレーターにSSランク……つまりは閃光のマリアンヌが搭乗している数十機のグロースターに対してサザーランド一機でただの一発もかすらせることなく全ての敵を三十分以内で撃墜した猛者が学校内にいるのだ。
 学校中で話題になり、先生が必死になってその人物を捜索したが、この二週間いまだにその人物の手掛かりすらつかめていない。

「心当たりあるのか、ジノ」

「しらばっくれるなよ、レオン・フェネット。私は見たんだ、二週間前の夜。シミュレータールームに入っていく君を」

「単なる見間違いじゃないのか?」

「そんなことは絶対ないよ……一年の頃からシミュレータールームで君が訓練しているのは知っていたからね」

 ジノの言葉にレオンの目つきが変わる。それは今までジノが見てきたどんな表情よりも凛としていて恐ろしく殺気のこもった表情だった。

「んで、それを知ってどうしたい? 俺を先生の前に突き出すか?」

「先生にはもう話したさ、君と一度本気で戦ってみたかったんだ」

「良いのか? 学校最強じゃなくなるかもしれないんだぞ」

「構わない、私は一人の男として君と戦ってみたかった」

「わかった……そこまで言うならもう止めない」

「今から始まるはずだった3on3の戦いは中止、私と君との決闘にかえてもらった」

「そうか……」

 ジノの言葉を聞いてレオンはジノに背を向けて待機所の方に向かって歩き出す。

「死ぬ気で来いよ、ジノ・ヴァインベルグ」

 小さくつぶやいて、自分の搭乗する予定のサザーランドのもとに向かう。