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スキスキスキ

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今日は隊長・副隊長を交えた宴会が行われていた。
その一角では・・・


修兵は覗き込むような姿勢で十番隊隊長の日番谷冬獅郎に報告した。
「うあーーーーー、乱菊さん完璧に寝てますよ。しかも一升瓶抱いて…」
「ああ?松本のやつ寝ちまったのか?」
「うわーほんとだ、乱菊さんねてるー」
「はい、もうぐっすり寝てます」
「珍しいな」
「疲れてたのかなー?シロちゃん」
「シロちゃん言うな。おい、檜佐木、松本は起きそうにねーのか」
「ダメですねー、気持ちよさそうに寝てますよ」
「なんすか、乱菊さん寝ちまったんですか」
「あ、ほんとだ。今日は飲まされないと思ったら…。」
「おんや~、なに?乱菊ちゃん寝ちゃったの?疲れてたのかね~」
「本当だな。いかん、このままだと風邪をひいてしまうぞ」
「このままにしとけませんね」
「どうしよう~…」
じっとみんなで日番谷を見つめる。
「……俺が連れて帰る」
「さっすがシロちゃん!優しい隊長さん!」
「だから、シロちゃんはやめろ」
そんな幼馴染二人のやりとりを聞いていた京楽は
「ん~~そんな必要ないんじゃない??」
と、のんびりといった。
そんな様子に日番谷がどうしてかと聞こうとした時
「失礼します、日番谷隊長。松本副隊長のお身内の方がお見えになっています。」
「なに?」
「あー、うんうん。いいよ、来てもらって」
「おい、京楽。勝手に」
「だーいじょうぶ、大丈夫。ね、浮竹」
「ああ。」
そんな二人の周囲の人間が怪訝な顔をしていると、訪問者が現れた。

「いつも乱菊がお世話になってます。乱菊を引き取りにきました。」
そう頭を下げたのは若い男性であった。
乱菊よりは年上に見えるが、父親にしては若い。
それに乱菊は流魂街だ、実の家族ではないのだろう。
しかし、その口ぶりはまるで父親のそれだ。
男は部屋を見回し、目的のものを探すような動作をした。
京楽と浮竹がひらひらと手を振るとそれに気がつき、男も手を挙げた。
京楽はそのひらひらと振っていた手をそのまま乱菊の方を指差した。
その動作で男は目的のもの、乱菊の居場所をしり、こっちに向かいながら教えてくれた京楽と浮竹に手を挙げて礼を述べた。

そんなやり取りを見ていた周囲はこの乱菊の身内という男は一体どんな身分の人物なのかと不思議でならなかった。
古参の隊長二人とあのやり取りを見る限りでは知り合いの様だった。
しかも、かなり気安い関係の様だ。
そういえば、乱菊もあの二人には幼いころから世話になったようなことを言っていなかっただろうか。
一部の人間は、あれ…どこかで?と見たことがあるようなと首を傾げる者もいた。
ますますわからなくなってきた一同の間を歩き、男は日番谷の隣で眠っている乱菊の近くに来た。
その様子に仕方ないという微苦笑を浮かべながら、近くに座り日番谷をみた。
「日番谷隊長ですね。うちの乱菊がいつもお世話になっています。」
そう男は日番谷に頭を下げた。
「いや…(本当にななんていえねーだろ)普段、こんな風につぶれたりしない松本がこんなになったってことは、疲れていたんだろ。今日はゆっくり休ませてやってくれ。明日も、少し…くらい遅れてもかまわねぇ」
「ありがとうございます。今日は屋敷の方に連れて帰ります。」

男はもう一回頭を下げると乱菊に向き直った。

男は乱菊の肩に触れ声をかけた。
「ほら、らーーんぎく。帰るぞ」
「ん」
「乱菊」
「んん、おとうさん?」
「お前にそう言われるのは久しぶりだなぁ」
と少し笑い、着ていた羽織を脱いで乱菊にかけた。
「ほら、乳しまえ。たく、帰るぞ」
「~~~~~~い~~~ち~~~ご~~~~vvvvvvvvvvvv」
「結局、そっちで呼ぶのかよ(苦笑)」
そう言いながら首に抱きついてきた乱菊の背中をさする
「抱っこ!」
「それ以外にどうやって運ぶんだよ。まったく、ギンが現世任務でいないって分かってて良かったぜっと、よいしょ」
男…一護は乱菊を抱き上げ立ち上がった。
完璧に乱菊は甘えモードだ。
一護はそれに慣れたように甘やかせつつあしらい、帰り支度を済ませていく。
最期に一護は一振りの斬魄刀を見下ろした。
確かに乱菊を抱き上げている状態で乱菊の斬魄刀を持つことは無理だ。

近くにいた修兵は手伝おうかと腰を上げようとした瞬間、一護は斬魄刀の名を呼んだ。

「灰猫」

呼びかけれられた乱菊の斬魄刀が反応したように感じた。

「灰猫、悪いが手が離せない。ついてこれるな?」
それに返事をするかのように灰猫は、具象化し猫の姿をとって、なぉ~と鳴き、トテトテと一護の後ろについていく。

主人以外の人間が他人の斬魄刀を具象化させた事を目の当たりにした周囲は驚愕以外の何物でもなかった。


そんな周囲の様子も知らずに一護は乱菊を抱いて出口まで行き、再び頭を下げて暇の挨拶をした。

残されたものは短時間に立て続けに起きた衝撃的すぎる出来事に頭の処理が追いつかずに、沈黙が続いた。

「あああああああああああ!!!!!!!!」

とイヅルが大きな声を出した!
周囲はその声にビクつき、いきなり大声を出したイヅルに抗議をしようとした瞬間、イヅルの発した言葉にみな動きが止まった。

「思い出した!あの人、真央霊術院の副理事長ですよ!!!!!!!!!!」


本当にあの男は何者なのだろうと宴会場に沈黙が落ちた。



そんな中のほほんと京楽と浮竹は酒を酌み交わしつつ、この後の正気を戻した皆による彼らに対する話題を想像し、その余波は自分たちにまで及ぶのだろうなーっと遠い目をしていた。





作品名:スキスキスキ 作家名:アズ