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トライアングルがぎゅっぎゅしてるだけ

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日頃からの疑問を本人にぶつけてみた。
「ナツキはいつもショウに抱きついてるけど、楽しいの? 男同士じゃん」
「とっても楽しいです!」
良い笑顔でそう言うナツキに抱きしめられた状態のショウが、俺は楽しくねえ!離せ!、と暴れている。
「男の子でも女の子でも可愛いものは可愛いですよぉ。もちろん、あいちゃんも可愛いですっ」
ナツキのターゲットがボクに変更され、今度はボクがナツキに抱きしめられた。
「ショウみたいに小さい子ならともかく、ボクに対して可愛いはおかしいんじゃないの?」
「確かにあいちゃんは小さな翔ちゃんと比べたら大きいですけど、僕と比べたら小さいですし」
「自分より小さければ誰でも良いんなら、ナツキの場合はその条件を満たしてる人の方が多いじゃん」
「おい! さっきから人のこと小さい小さい言ってんじゃねえっ」
ショウがさっきからキイキイ喚いている。
「ふむ……ショウ」
「何だよ」
ナツキの腕から逃げ出して、むすっとしているショウに近づき、抱きしめた。
確かに……ショウは小さいから腕の中にすっぽり収まるし、抱き心地が良いかもしれない。
「あの……」
「……」
「藍……?」
「……」
ショウはどうすればいいのか分からない様子で、ナツキが相手のときよりも弱い抵抗を試みている。
ボクにこんなことをされるとは思ってもいなくて、戸惑っているんだろう。
「二人ともズルいですよぉ。僕も仲間に入れてくださいっ」
ドーンッとナツキが突っ込んできた勢いで、三人まとめて後ろのベッドに倒れ込んだ。
ショウの上にボク、ボクの上にナツキ、という順に重なって倒れているわけで、一番下のショウが苦しそうにもがいている。
「ちょっ……重い……重いっつーの!」
「ボクだって重いよ……」
その時……カチャリ、と開かれたドアから春歌が入ってきて。
「……あら」
最初は驚いたような顔をした春歌は、すぐにふわりと微笑んだ。
「三人共、とっても仲良しですねっ」
仲良しって……まあ、確かに……最初と比べたら自分でも驚くくらいにナツキにもショウにも入れ込んでると思う……けど。
「ったりめーだろ。一緒に曲作ってる仲間なんだからさ」
「はいっ、友情という絆で結ばれているんです」
相変わらずこの二人は恥ずかしいを平気で言ってくる。
「絆、ねえ……」
声には出さなかったけれど……悪くない、と思った。










END