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GANTZ Paradise Lost 田中星人篇

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気がつくと俺はまたあの黒い球の部屋に居た。
昨日来たときと同じ、黒い球体以外に何も無い無機質な部屋。
しかし、今回は・・・

「あ、何かまた出てきた」

先客が居た。
その中には西丈一郎もおり、相変わらず不機嫌そうに座っている。
そしてその横には見知らぬ制服を着た3人とカジュアルな服装に身を包んだ4人、そして縞模様の特攻服を着た不良っぽいの4人がいた(とくに不良っぽい連中はこの部屋から出ようとしているのか、窓ガラスをしきりに鉄パイプで殴ったり蹴ったりしていた)。

「お帰り〜、ナーオち」

丈一郎が厭味ったらしくいう。

「黙れ」

俺は丈一郎を睨め付ける。

「ままま、そんな怒ンなっての」

チッ、ムカつく野郎だ・・・

「ねね、そこの君」

すると俺は後ろに居た黒チャイナ服の女性に声をかけられる。

「・・・あ、はい」

「この部屋ってさぁ、あれ?異世界的なモノだったりする?」

「・・・・は?」

―――いきなり何を言い出すんだ、この人は・・・―――

「いやいやいや、違うっすね。ここは多分何かのゲームフィールドっすよ!ソードアートオンライン的な」

すると、女性の隣に居た金髪の外国人風の青年が口を挟む。

「いやー、雰囲気的に異世界でしょー!何か何かー、後ろから殴られてふと気がついたらこんな無機質で何も無い、あるのは黒い球体だけの部屋にいたーみたいな事、異世界モノでは王道パターンじゃん?」

「まあ、それは一理あるっすけど・・・・でも俺ら殴られたらいきなりこんな密室に閉じ込められたんすよ!んで、その密室には謎の黒い球体、ここまで来たらゲームの始まりとしか考えらんないっす!例えで言うなら何者かに拉致られた主人公が殺戮ゲームに巻き込まれてそこで出会った巨乳の可愛い娘を守りながら他の参加者を蹴散らしていく、みたいな」

「シークレットゲーム?シークレットゲーム?」



・・・・・・・・・何だコイツら・・・・・・・・・・



ぶっちゃけ、全く話についていけない・・・・・。
多分ゲーム辺りの話をしているんだろうが、俺には何のことやら訳がわからん・・・。
俺が少し引いていると・・・

「・・・いい加減相手が自分と同じ趣向っつー前提で話をするのはやめろ!」

突然隣に座っていたニット帽の青年が声を荒げた。

「ひぃッ」

「んもー、ドタチンのいけずー」

「すまねーな、コイツらはいつもこうなんだ・・・」

すると、ドタチンと呼ばれた青年が俺のほうを向いた。

「あ、いえ・・・別に・・・概ね彼らの言いたい事は分かったんで・・・この部屋が何なのか、ですよね?」

「・・・ああ、多分な・・・アンタは何か知ってるのか?」

「いや、俺もよくは分かんないですけど・・・」

とりあえず俺は彼に出来る限り分かる情報を話した。
この部屋には死んだ人間が集められるらしいこと、この部屋に存在するガンツ、と呼ばれる黒い球体に異星人狩りをさせられること、この部屋からは出られないこと、とりあえず今の俺に分かる事を説明した。

「・・・・なるほどな・・・・」

「要は私らは死んでると・・・」

「で、その死んだ人間が宇宙人狩りをさせられるってワケっすか・・・」

「まあ、そんなとこらしいです・・・」

俺は正直信じてもらえないと思った。
何せ、科学的根拠が全く無い。
まして死んだ人間が生き返るなど空想の中の話だ。
しかし・・・



「・・・・そうか・・・」

ニット帽はあっさりと俺の話を信じた。

「・・・疑わないんですね・・・」

「まあ、俺には死ぬ瞬間の記憶があるからな・・・それにアンタはこの部屋についてあらかた知っているみたいだ、疑う理由も無えだろう?」

「まあ、そうっすけど・・・」

「でも、僕らは死んでるんですよね・・・?」

すると、その傍らで話を聞いていた制服の少年が尋ねる。

「ということは、あなたも死んでるんですか・・・?」

「まあ、死んでるんだろうな・・・実感が無いってだけで・・・」

「そうですか・・・」

少年は肩を落とした。
まあ、いきなり死んだって言われんだし、そら落ち込むわな・・・

「ままま、元気出せって帝人〜」

すると少年の隣に居たチャラ男風が少年の肩を叩きながら言う。

「正臣君・・・」

「とにかく、このお方が言うには俺ら生き返ったようなモンなんだろ?」

チャラ男風は俺を指差して言った。

「それに、ここが天国なら杏里も俺もいるじゃねえかよ!一人じゃない分、救われてると思うぜ?」

「そうかなぁ・・・」

「あ、そー言えば、アンタ名前は?結構前からここにいるっぽいけど・・・」

するとチャラ男風が俺に尋ねてくる。

「あ、ああ・・・俺は工藤直人、ここにいるのは結構前っつーか昨日からだけど・・・」

「へー・・・俺は紀田正臣、でコイツが竜ヶ峰帝人、あっちでちんまり座ってんのは園原杏里だ・・・アンタは昨日からいるんなら一日先輩ってトコかい?直人せーんぱい?」

正臣は猫のような鋭い目をクリクリさせながら言う。

「・・・まあ、そんなトコだろうな・・・」

・・・・・さっきから言おう言おうと思っていたのだが、コイツ言うことが事あるごとに寒いな・・・
俺が少し呆れていると・・・



「む、先に来ておったのか、ナオ?」

後ろから声がする。
振り向くと、秀吉が転送されてきていた。
緑色のTシャツを着てiPadを抱えている。
その後ろでは何故かおたまを持った状態でマミも転送されてきている。

「あ、ああ、まあな・・・」

「むぅ、また殺さねばならぬのか・・・」

秀吉はうなだれながら言う。

「まあ、しょうがないだろ・・・」

「え、何この美少女・・・」

すると後ろで正臣が秀吉を見て何か言っているが気にしない。

「何を言うか!ワシは男じゃ!!」

すると秀吉が正臣の言葉に反応した。

「しかも何か武士語だし・・・」

「武士道男の娘萌え〜!!」

約一名人数が増えたが気にしない。

「うわわ、こっちはいまや絶滅寸前のフリル付エプロン姿っすよ!!!しかもご丁寧におたままで装備しちゃって!!!!」

すると、今度は外国人風の青年がマミを見て言う。

「あ、はあ・・・」

マミはいきなりの絡みに少し引いていた。

「ちょっと写メ良いっすか!?絶滅危惧種保全のために一つおなっしゃっす!!」

「や・・・やめてください・・・/////」





―――何だこれ・・・―――





俺は眉間を指で摘んだ。
元来、こういう雰囲気には慣れていないので少し気が滅入る。
すると・・・





『ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁたあああああああらしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっさがきたきぃぃぃぃぼぉぉぉぉぉぉぉのあああああさああああああがよぉぉぉろこおおおおおおおびにむねをひぃぃぃぃろげおおぞぉぉぉらあぁぁーおぉぉーげぇぇーrrrらじおぉぉーのこえにぃぃぃぃーーーすぅこやぁぁぁかなぁぁぁむぅぅぅねをぉぉぉぉぉこぉぉぉぉのかぉおおるかぜぇーにひらぁぁげよぉぉーそぉぉーれいち、に、さぁーん』





この前と同じく、ラジオ体操の不気味な音色が部屋中に響き渡る。