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Angel Beats! ~君と~

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第9話 Off Day Part2

「言葉って何だよ?」

ユイは躊躇った。
『60億分の1の確率で出逢えたら―――――』

『結婚してやんよ!』

本当かどうか分からない。『約束』したかもしれないが、分からない。

あの夢も、

「ユイ?」
「やっぱり、何でも無いです」

聞けなかった。

「そっか」
「気にならないんですか?」

また日向は背伸びをした。
「ああ。ゴメンな変な事、聞いちまって」
「いえいえ」
夢は夢にすぎなかった。





『いたって健康だよ』

(大丈夫なのか、俺?)
結弦は先生、いや医院長の言った事を思い浮かべて病院の廊下を歩いていた。

「あ、お兄ちゃん」
「初音?どうしてここに?」
ばったりと廊下で初音に会った。
「どうしてってユイさんに会う為に来たんだよ」
ここの病院は父親代わりの先生の病院でもあり、そこそこ名前が知られている病院。
そんな所に一人の少女、ユイが居る所である。
「そう言えば、ここに居るんだったな」
「お兄ちゃんも行くよね、ユイさんの所に」
「そうだな。どうせこの後暇だし」
「じゃ、決定。行こうよ」
初音は結弦より小さな手で手を取ると走り出した。






「ひなっち先輩」
「何だユイ?」
「初めて会った日、何で私の名前が分かったんですか?」
「それは・・・」
「何でですか?」
「ユイもなんで分かったんだ?」

(『戦力になりますよ~』)

(今のは?)
「それは、先輩が――――」

コンコン

言い掛けようとしたらドアから音がした。

「はーい?」

ガチャ

「ヤッホー、ユイさん。あっ、誰だっけ?」
「日向だよ初音」
(俺ってそんなに・・・・)
日向が軽くショックを受けている間に二人は入っていった。
「初音ちゃん、それに音無先輩来てくれたんですか?」
「よ、ユイ」










「ねぇ、お兄ちゃん」
「何だ初音?」
「何でユイさんの名前知っているの?」
(同じ事を聞いてら)
日向はユイと同じ事を言う初音に少し笑った。
(音無先輩、何て言うのかな?)
ここにも一人いた。顔に表してはいないがユイも何故かワクワクしていた。

「それは、分からないんだ」

「じゃあ、どうして名前を当てる事ができたの?」
「分からない。ただ、」
「ただ?」
「いや、何でもない」
懐かしい気がした。
言おうと思ったが何かバカにされそう、という気持ちがあって言えない。
作品名:Angel Beats! ~君と~ 作家名:幻影