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キミのココロは僕のモノ

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イライラする。


この感情は・・・何?







いつもと変わらぬ穏やかな昼下がり。
僕は、何か面白い事がないかと、探してみようとするが
そう簡単に、見つかるはずもなく
仕方がないから、不貞寝してやろうとしたその時・・・

どこからか、聞きなれた声がして
僕は、うつ伏せ状態だった顔をふと上げる。


(あぁ、あの子か)


雪村千鶴。

最初は、僕たち新選組に協力を
していたのだが、途中から行方を眩ませた雪村綱道の娘。

彼女は、見てはいけない物を見てしまった。

傍迷惑な話だ。

彼女が、雪村綱道の娘じゃ無ければ
彼女が男だったら、迷いもなく殺していただろう。
それなのに、殺せない。



まさか、あの子自分の立場忘れているんじゃないんだろうね?



幹部仲間の平助と斎藤と一緒に
何やら、随分と楽しそうに話をしている。


「気に食わないなぁ」

思わず、そんな言葉を口にしてしまい

「何が気に食わないんだ?」と
思いもよらない言葉がかかってくる。


「あ、左之さん」

「よぉ、総司。んで、何が気に食わないんだ?」

あ、やっぱりさっきの聞かれていたのか。
まぁ良いか。聞かれても困ることじゃないし。


「別にぃ・・・。いっつも、ヘラヘラ笑っている
千鶴ちゃんが、何となく気に食わないだけですから」

その言葉に案の定、左之さんは目を見開いて溜息をつく。

「お前なぁ・・・その言葉は無いんじゃないか?
あいつは、あいつなりに頑張っているんだぞ?」

「えー何、左之さん?千鶴ちゃんを庇っちゃって?
相手が女の子だから?あ、それとも千鶴ちゃんの事が好きなんですかー?」

僕は、意地悪く笑ってそう言う。

「あの子も、良い性格をしているよね。はっきり言えば、新選組に
とっては必要ない子ですよ?だけど、近藤さんの好意と、雪村綱道の
娘だから助かっている。もし、これで雪村綱道の
娘じゃ無ければいくら、近藤さんが止めたって・・・「総司」

続きを言おうとしたところで、左之さんに遮られる。

「何?」

「いくらなんでも言い過ぎだ。限度を考えろ限度を」

「別に。そもそも、限度を考えなくたって良いんじゃないんですか?
あの子、何を言っても笑っているし。邪魔になったら
殺っちゃうんですし。だから、何を言おうと関係ないと思うんですけど?」


あーぁ・・・。左之さん凄い睨んでいる。
本当の事を言っているだけなのに。

左之さんの反応が、僕はつまらなくて
大して反省している訳では無いが
「御免なさい」とだけ言って、その場を立ち去った。









洗濯物を取り込んでいると、何やら怒鳴り声が聞こえた。

何かの揉め事だろうか?
千鶴は、気になり声の聞こえる方に向かった。

すると、そこには血まみれの沖田が立っていた。
そんな沖田に、土方が怒鳴っている。

『てめぇは、何度言えば分かるんだ!無闇に人を斬るんじゃねぇ!!』

『だけど、喧嘩を売ってきたのはあっちの方ですよ?僕は悪くない』

『俺たちは、京の治安を守るためここにいるんだ!その俺たちが、無闇に
人を斬っていたら、そこら辺にいる不貞浪士と変わらねぇじゃねぇかよ!!』


『あーもう。分かりましたよ、すみませんでした。新選組副長 土方歳三さん』


おい、総司!!と云う怒鳴り声を
無視して、総司はその場を去ろうした。

千鶴は、慌てて隠れようとしたが、偶然にも
目が合ってしまい逃げることが出来無くなった。

沖田は、何やら企んだような笑顔をこちらに向けてきた。

そして、考える暇も無く気づけば、沖田は千鶴の前にいた。

沖田が人を斬って屯所に帰ってくるのはよくあること。
だけど・・・だけど、今日は何かが違った。
今まで感じたことのない恐怖に、思わず千鶴は震える。







へぇ・・・この子でもこんな顔をするんだ。
僕は、いつもと違う千鶴ちゃんの顔を見て少し驚く。

でも、やっぱり気に食わない。
この子を見ると、虫唾が走る。


僕は気づけば、彼女の手を引き
人目のつかない所に連れて行っていた。


「お、沖田さん!何をするのですか?!」


状況を理解出来ない千鶴ちゃんは、握られた腕を
必死に振り解こうとするが、男の僕の力に適うはずない。

僕は、千鶴ちゃんの方を振り向く。
彼女は、目に涙を溜めているが、それを零そうとしない。
意地を張っているのだろうか?つまらない子。

僕は、思いっ切り千鶴ちゃんを地面に倒した。
打ち所が悪かったのか、彼女は右腕を抑える。

「あっはは・・・千鶴ちゃん体中が土まみれだよ?」

僕は、汚いなぁと呟き千鶴ちゃんの髪を掴む。
苦痛に耐える千鶴ちゃんに、僕は何故か
心の底がゾクゾクし僕は、思わず舌舐りをした。そして、ふと思い浮かんだ。


「ねぇ?千鶴ちゃん・・・君、血の味って知っている?」

「しり・・・ま、せん」

痛みと恐怖に耐える千鶴ちゃんが、途切れ途切れにそう告げた。

「へぇ、そっか」

僕は、掴んでいた千鶴ちゃんの髪の毛を解く。
解放されると安心したのか、千鶴ちゃんは安堵の溜息をつく。
しかし、そんな時も束の間。

僕は、千鶴ちゃんの胸倉を掴み無理やり口付ける。

いきなりの事だったからなのか、千鶴ちゃんは暴れない。
しかし、ふと我に返ったのか、急にもがき出す。

今更遅いよ・・・千鶴ちゃん?

僕は、彼女の頭を抑え口付けを更に深くする。
歯列を舌で丁寧になぞり
無理やり、千鶴ちゃんの舌を絡め取る。

僕は、千鶴ちゃんの柔らかな唇に噛み付くように口付け
そして、流石に息が持たなくなったのか
千鶴ちゃんが朦朧としだした所で、僕は口をそっと離した。

僕と千鶴ちゃんの口から、銀色の糸が名残惜しそうにできる。

酸素が足りないのか、顔が赤くなり息が荒い。
そんな千鶴ちゃんの反応に、僕は少なからずとも満足した。

でも・・・駄目。まだ足りない。


「どうだった?初めての口付けは?これが、血の味だよ」

僕は、ニヤリと笑いながら言う。

「あ・・・あっ・・・」


千鶴ちゃんは、少しづつ意識を取り戻したのか慌て出す。
でも、僕が逃げないよう、抑えているので逃げることが出来ない。


「ねぇ、千鶴ちゃん。僕はまだ足りない。こんな事だけじゃ満足出来ないよ」

そう言って、彼女を抱きしめる。





あぁ、そっか。そう云う事か・・・。




「千鶴ちゃん。僕とイケナイ事をしよっか?」




そう言って、彼女の手を更に引く。




夕暮れの中、日暮が鳴く。
まるで、それが合図とばかりに・・・・・。







傷付け そして知ってしまった
愛の行方は何処へ行く。

作品名:キミのココロは僕のモノ 作家名:yuzu