新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第81話
第81話 「街に吹く勇者の超旋風」
♪ BGM グレート・ダッシュ!!
紬とのツーショット写真を手に、舞人はマイティーブレスレットをかざして叫んだ。
舞人 「レェエエエッツ!!!グレェエエエエト・マァアイトガアアアインッ!!!」
マイトカイザーが一気に加速をつけて飛ぶ。同時に連結されているコンテナユニットからライナーズとドッキングユニットが射出される。
それぞれがマイトカイザーを中心に配置に就く。コンテナユニットがマイトカイザーの後部から分離。自動操縦でに移動していく。レッグユニットがスライドして真っ二つに割れ、反転する。そこへ左右にライナーズ2が就き、腕に変形する。
そのタイミングで左右のライナーズ2が合体。変形した腕の部分に、クレーンとドリルのような突撃牙のドッキングユニットが合体する。そこから直立状態となって飛行する。
舞人 「グレートマイトガイン、起動!!!」
舞人が起動操作すると、胸部が倒れこみ、同時に背部のウィングが上部に展開。グレートマイトガイン頭部がギュゴッと飛び出し、額の大車輪のアンテナ状の突起物が、バキキンッと左右に倒れる。ギュオッと各部からブースターが噴射。拳をぶつけ合って合体をキメた。
生体兵器γは、背部から伸びる多数の触手をムチのように高速で縦横無尽振りながら、ヘルトルーパー部隊を蹴散らす。
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュッッッ・・・ドォドォドォドォドズガガガガアアアアアンッ!!!
多数のヘルトルーパーが一瞬で寸断・撃破される。この攻撃で、生体兵器γの攻撃に当たっていたほとんどのヘルトルーパー部隊が全滅した。
その手前では、ザリガニ型のBLW、BLWαが巨体を前進させながら江東区の街を破壊する。巨大なハサミがビルを粉砕、動き回る触手が車両を吹っ飛ばす。
二足歩行型のザリガニBLW、BLWβがビルを崩しながら進む。遠方からは生体兵器γが迫っている。その最中で逃げ惑う二組の男女。メガネをかけた大学生風の男が手を引っ張っている少女の方は、澪にかなり似ている。
少女 「染谷先生!!どんどん迫ってくるよ!!!」
染谷と呼ばれた大学生風の男は先生と呼ばれていた。
染谷 「まさか、勉強中にこんな事になるなんて!!!水森さん、もっと走るよ!!」
二人は状況的に見て家庭教師と教え子のようだった。逃げる二人の背後で、当然のように犠牲者は増えていた。
染谷 「くっ・・・・!!」
今以上に水森という少女の手を握って加速する。それに合わせて水森は速く走ろうとする。だが、途中にあった歪の段差に足を引っ掛けて染谷は水森ごと転んでしまう。
がっ!
染谷 「しまっ・・・!!!」
水森 「あっ・・・!!!」
どどしゃああ!
水森 「ぅうっ・・・!!痛い!!」
染谷 「ぐぅ・・・・染谷さん、ごめん!!」
痛みをこらえて彼女を起こそうとする。だが、今の転倒で捻挫してしまっていた。
水森 「痛いっ・・・・!!!捻挫しちゃったみたい・・・。」
染谷 「捻挫?!本当、ゴメン!!!俺が転んだばかりに!!!」
心底水森に謝る染谷。だが、水森は首を振った。
水森 「先生が悪いわけじゃないよ・・・いたたた・・・。」
その間にも背後から巨大生物が迫る。次々と走って逃げていく市民の中、染谷は背を水森に貸す。
染谷 「仕方ない・・・俺の背中に掴まって!!!」
水森 「染谷先生・・・!!」
顔を赤くしながら染谷の肩におんぶしてもらう水森。染谷も赤くなっている。
染谷 「走るよ!!」
水森 「うん・・・!!」
だが、当然のように走る速度は遅くなる。側面からはBLWαが速度を上げて迫る。逃げている途中、前方50メートル先のビルを砕きながらBLWαが姿を見せた。
ズガギャドォオオオオ!!!
巻き起こる砂煙。目を瞑りながらしばらく耐えて再び目を見開く。すると大きく口を開けたBLWαがいた。絶体絶命である。
BLWα 「クククケアアアアア!!!」
水森 「っ―――!!!!」
染谷 「うあ―――!!!」
その時、上空からレーザーの火線が降り注ぎ、BLWαに直撃する。背中の直撃部の表面が爆発して砕ける。
ヴィギュイイイイイイィイイイイィィィッッ!!! ズドォヴァギャアアアアアアァン!!!
BLWα 「キュギャカウッ??!」
水森 「え?!!何??!」
染谷 「レー・・・ザー???」
その直後、BLWαの側面からグレートマイトガインが突っ込む。ライトアームのクレーンブームがBLWαの巨体を殴り飛ばした。放たれたレーザーは、ネオ・シグナルレーザーだったのだ。
グレートマイトガイン 『おおおおおおおお!!!』
ギュオオオオオオッッッ――――ドォズウウウウウウウウンッッ!!!
ズギャゴゴゴゴッゴオオオオッッ!!!
吹っ飛ばされるBLWα。道路を巨体が転がっていく。
染谷と水森は晴天の空の下にそびえる雄志を垣間見る。
水森 「ええ?!!もしかして・・・・これが・・・!!!」
染谷 「マイトガイン・・・・!!!」
二人と市民の前に立ったグレートマイトガイン。そして、登場の際の決め文句を言い放つ。
グレートマイトガイン 『銀のつばさにのぞみを乗せて、灯せ平和の青信号!!勇者特急グレートマイトガイン、定刻どおり只今到着!!!』
響き渡るグレートマイトガインの声。この時、偶然にも舞人は目下の二人に気づく。
舞人 「注意しろ!!足許に市民がいる!!」
グレートマイトガイン 『ああ!!わかっている!!舞人、どう攻める?!前方には二足歩行型の2体、右遠方にはザリガニ型・・・・!!』
舞人 「今の奴を先に叩く!!動きが素早い分、被害が広がりやすい!!後の2体はザリガニ型を駆逐してからでも遅くはない!!」
グレートマイトガインは、吹き飛ばしたザリガニ型の方へと首を向けた。
グレートマイトガイン 『そのようだ・・・・来るぞ!!!』
ダメージは決して軽いものではない。にもかかわらず、素早い動きで攻め入るBLWα。
舞人 「奴を止めるっ!!!」
ドォオオッ、ギュゴオオオオオオオオ!!
グレートマイトガインは、直ぐに低空をホバリング。向かい来るBLWαに突っ込んでいく。
グレートマイトガイン 『市民はやらせない!!!』
ズディガゴオオオオオオオオンッッ!!!
レフトアームの一撃がBLWαの固い皮膚を突き砕く。至近距離から両肩に内蔵されている二門のマシンガン、マイティー・マシンキャノンを展開させて撃ち放つ。
グレートマイトガイン 『マイティー・マシンキャノンッッ!!!』
ドゥヴォダダルルルルルルルルルルルルルルルルゥゥゥウウゥゥゥッッ!!!
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第81話 作家名:Kブレイヴ